#野球ができる喜び

 【8月9日】

 西宮市内のコープさんへ行ったら、

ものの見事にペットボトルのミネラルウオーターが棚からなくなっていた。

おまけにトイレットペーパーもない。ウソやろ…思わずこぼしてしまった。

 タイガースの多くの選手、関係者と同じ生活圏で暮らしている。その顔を思い浮かべながら、やはり、みなさん飲料水や非常食等を備蓄しているのだろうか…なんてことも考えてしまう。

 関西では白浜の海水浴場が閉鎖された。南海トラフ地震の臨時情報が発表されたことを受け、安全面を考慮した結果だが、和歌山だけじゃない。各地のビーチで閉鎖の動きが出ている。

 そのほかJR東海が東海道新幹線の三島~三河安城間の上下線で通常より速度を落として運転すると発表するなど余波は各方面に及んでいるようだ。

 コロナ禍の初年度はスーパーの棚からマスクや消毒用のアルコールが消えた。昔、社会科の教科書で70年代のオイルショックを学んだが、自分が生きる時代にこんなふうになるなんて少し前までは考えもしなかった。

 長崎の平和公園で被爆79年の平和祈念式典が行われた日、あらためてプロ野球が開催される平時に感謝する。

 広島カープ監督の新井貴浩は6日、自らのインスタグラムを更新し、原爆ドームを見つめる写真を投稿した。その夜の囲み会見では「自分も広島で生まれ育って、特別な日…。今日一日、平和に野球ができることに感謝しながらグラウンドに立っていました」と語っていた。

 #野球ができる喜び

 インスタにこうも綴っていたが、新井のコメントが皮相浅薄でないこと、形式ばったものでないことは、日頃の人となりに触れている者は分かる。

 だから…というか、その人柄を知る阪神関係者は実はよく口にしている。

 新井カープはここぞの土壇場で阪神にとって難敵になる-。

 新井の人望がチームの結束力を高めればこわい。阿部慎之助ジャイアンツよりもこわいかも、と。

 チーム力を高める指揮官のアプローチは三者三様。もちろん、この世界に於ける「正解」は勝者のそれである。昨シーズンは虎が日本一になったのだから、岡田彰布のアプローチが正しかったことになる。

 今シーズン、岡田の「厳しい言葉」が何度かクローズアップされた。メディアを通して発信されたそのコメントについてプロ野球OBがあれこれ評する記事も目にしたが、僕はそれには違和感をおぼえる。正しいか否か。決着もついていないシーズン半ばに、それを下すセンスの無さについてである。

 ご存じのように、岡田の法則は「是々非々」だ。勝てる駒として、ええもんはええ…。あかんもんは…。昔と同様、これを囲み会見で発する。SNSでの拡散量を思えば、前政権の時代とは様相は大きく異なるが、岡田はそのアプローチを変えない。

 正解を論じる秋はまだ先だけど、プロ野球ファンとして盛夏の陣を楽しめる喜び、平和を噛みしめたい。=敬称略=

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