「663」からもう6年

 【9月20日】

 6打数6安打、3本塁打、10打点。海の向こうでド派手に「50-50」の偉業を達成した大谷翔平だけど、その数字を聞いて「ハッ」としたあなた!熱心な虎党に認定いたします。

 大山悠輔の「663」からもう6年も経つのか。横浜の空へ7号。8号、9号。全6打席で安打し、自己最多の7打点。

 6打数6安打。3本塁打。

 藤浪晋太郎の満塁弾もあり、20-4でDeNAに大勝した忘れられない18年秋の衝撃である。

 金本知憲政権の最終年。プロ野球初となる2度の1イニング9得点など、4年ぶりの20得点…。

 そうか。大谷祭りのドジャースもスコアは20-4だったのか。まったくの偶然とはいえ、横浜でそのニュースを聞くのもなんだか悪い気はしない。

 秋の横浜は荒れ模様。長いことタイガースについて回っていると、この季節のハマスタはスコアボードが忙しくなる気配を感じる。この夜の大山もHランプがひとつ、ふたつ…。いや、やめておこう。自身の「打」だけがクローズアップされると、あまりイイ顔をしない主砲である。走・攻・守。大山はその全てで貢献して勝ちたい。

 球史に残る猛打の6年前だって、試合後のコメントは…

 「勝ったことが一番なので、まずはそこを喜びたいと思います」

 帰りのバスへ歩きながら、そう語っていた。プロ2年目から「勝つこと」に執心してきた。秋だからではない。春も、夏も、そう言い続けてきた。

 年月の移ろいは早いもので、大谷翔平と同じ1994年生まれの大山はもう8年目。そりゃ、こちらもトシをとるはずだ。

 そういえば、先発した西勇輝がオリックスから阪神へFA移籍したのが矢野政権初年度の19年だから、虎のローテーションを守ってもう6年目。あっという間である。矢野が4年、岡田彰布が2年…。金本が3シーズン指揮を執ったのは、もう随分前のハナシに思える。その金本の引退試合で先発した三浦大輔が監督になってもう3年が終わろうとしている。CS圏内へ、番長も必死のパッチだ。

 ああ、一気に5点取られて、4点取り返し、また1点取られ、でも、また1点取り返し…。電光掲示の途中経過で巨人がカープをリード。ファンがやきもきする展開だった。

 こういうときはディフェンスだ。頼むぞ…。

 そんなふうに見ていると、DeNAのショート森敬斗が「守」で輝く。守りもいいけど、バットでも5試合連続安打か。阪神戦ではおとなしくしててくれ…。なにせ、まだDeNA戦は残り4試合もあるのだから。

 思い起こせば、大山が無双した6年前のあの試合、DeNAのショートは大和が守っていた。1番ショート、大和。うまかった…。4-20で敗れてもDeNAの失策は0だった。

 こんなときだから、岡田野球の肝を心に留めておきたい。残り8試合。野球は…。=敬称略=

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