宮崎で聞く新監督の誕生

 【10月14日】

 日南「天福球場」のエントランスが同窓会みたいになった。

 「あれ?風さん?」

 あぁ、清水さん。ご無沙汰しております。お元気ですか?

 「おかげさまで…。きょうはどうしたんですか?」

 きのう岡田阪神の戦いが終わりまして…。ちょっと若い選手を見たくなったので今朝の便で宮崎へ。

 栗山英樹ジャパンのコーチとして昨年のWBCで「世界一」に貢献した清水雅治である。

 現在日本ハムのファーム総合コーチを担う清水とフェニックス・リーグの広島戦でばったり。

 「阪神は?次の監督は…」

 もうすぐ球団から発表になると思いますが、お察しの通り。

 「楽しみですね」

 そうなんです。近々就任会見です。

 「こんにちは!」

  あ、お久しぶりです。

 こちら、清水の横を日本ハムファーム監督の稲葉篤紀が通り過ぎ…。

 かつて札幌で中田翔と共に鮨を…。 その節は…って、古い話はさておきこちらはご存じ、東京五輪金メダルの侍ジャパン監督。宮崎へ来るなり、何だか豪華な面々と会ってしまった。

 「あれ!?こんなところまでどうしました?」

 今度はカープのファーム投手コーチ高橋建がこちらへやってきた。そうか…。清水さんも建さんも「元虎」か。わざわざ書くまでもない。両人は「そうですよ!」と笑っていたが、やはり古巣の「新体制」に関心がないわけではなさそうだ。

 「コーチはまだですよね」

 それはこちらが教えてほしいくらいです。間もなく新体制の組閣が固まると思うので待とうかと。

 この日のフェニックスLは「西武対阪神」の球場が南郷で「広島対日本ハム」が日南。車で15分の距離なので欲張って2試合とも見ようと思ったら、日南は雨天中止。室内練習場で少しだけカープの練習を見させてもらった。

 「球児、楽しみですね」

 カープのファームコーチ東出輝裕である。同じ松坂世代。藤川新監督と同級生の彼は指導者歴はや10年。ベテランコーチの視点から「球児はまず2軍監督をやりたかったのでは?」と、逆取材されてしまった。

 それはそうと、カープ大失速の原因は何だったのか。チームの関係者を真面目に取材すると、「分からない」が大半だったが、東出は「新井監督はやはり打線の軸になる選手が欲しいと思っていたと思います」と語った。軸=4番。V戦線でこのポジションが日替わりでは確かに苦しい。

 長居した日南を離れ、若虎が若獅子と戦う南郷球場へ足を運べば、試合はもう中盤だった。次代の4番。次代のエース。次代のリリーバー。そんな視点が愉しい宮崎である。

 いつまでこっちにいるんですか?

 快晴の南郷でファームバッテリーコーチの野村克則から聞かれた。目を肥やしてから帰ろうかな…。=敬称略=

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