新井に聞く「家族」の熟成

 沖縄カープ協力会の方々と写真に納まる新井監督
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 【2月26日】

 阪神が開幕投手を発表したこの日、広島カープが沖縄キャンプを打ち上げた。時間的には宜野座で球児の口から村上の名前が出たとき、カープのチームバスは那覇空港へ向かっていた。

 村上頌樹が大役を担う。そうでは?と感じていたので「順当」と書く。じゃ、週アタマの火曜日…つまり、地元開幕はやはりあの右腕か。また近いうちに虎将から公表されると思う。

 早いもので明日で開幕までちょうど1カ月。前日(25日)一足早く開幕投手を公表した新井と沖縄コザの球場で手締めの前に話をした。かつて在籍した阪神が開幕の相手。意識するか?なんて野暮なことは聞かない。

 若鯉にハードワークを課した26日間のキャンプを終えたいま、新井に聞きたかったのは自身が発した初心、その言葉の責任についてである。

 就任3年目。3年といえば概して結果を求められる世界だが、振り返れば新井は監督就任間もなく、選手全員の輪の中でこんな話を伝えていた。

 「カープという大きな家の中にお前たちがいる。みんなのこと、家族同然だと思っているから」

 これを聞いた当時、対戦相手として手ごわくなると思った。もし戦力に遜色がなければ最後は「結束」したほうが強いに決まっているからだ。

 熟成を期す年。カープは「家族」になれたか?そう問えば、新井は言う。

 「なっていると思います。2年間やってきて僕がどういう考えを持っているのか、どういう監督なのか、選手はもう分かっていると思う。信頼関係ができていると思うので、こちらとしても発信しやすいですよね。監督はこういう考えだからこういうふうに言っているという。だから良かったとか、だからもっとやらないといけないとか、そういう信頼関係がね。うわべだけの言葉とか、飾った言葉って、絶対にボロが出る。だから、選手に対しては正直に向き合ってきたつもりです」

 赤い大きな輪が解け、沖縄を離れる新井の襟足に白いものが見えた。

 「白髪、ちょっと増えた?」

 そう聞けば、新井は「まあ、まあ」と笑ったが、昨秋の深淵な落とし穴が体を蝕んだことは想像に難くない。

 カープを見送って宜野座に戻り、その足で名護まで車を走らせた。沖縄滞在中に見ておきたいものがあった。

 沖縄県指定の名勝「轟(とどろき)の滝」である。風光明媚な滝もさることながら、「あの千枚岩は圧巻」…そう聞いていたので夕方拝んできた。

 まず目に飛び込んでくる巨岩に圧倒されたのだが、どこが千枚?一枚にしか見えない。聞けば、1500万年前から千枚岩の隙間に地下から上昇したマグマが染み入り、冷えて固まって一枚岩になったのだとか。ほぉ~。とてつもない時間をかけて一つにねぇ。

 さて、人の心を3年で一枚岩にできれば勝機は広がる。つまり、開幕戦の相手は手ごわくなりそうだが、翻って阪神はどうか。日々取材しながら藤川球児は飾らない言葉で心を一枚にする指導者だと感じる。そして、その熟成の速度はとてもはやい…。=敬称略=

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