壱岐に巨大猿? 思わず「ナニコレ!?」自然が作り出した“珍百景”

 猿岩の頭。目もまつげも鼻の穴もある=壱岐市
 離れて見るとこんな感じ。視線の先は水平線=壱岐市
 青い海、青い空が美しい辰の島
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 長崎県壱岐市に「猿岩」と呼ばれる岩があると聞いて向かった。おそらくは観光地によくある「こじつけ岩だろう」とツッコむ気満々だった。「獅子岩」とか言いながら、どこが獅子やねんみたいな。しかし、実際に猿岩の前に立つとあまりに愚かな先入観であった。これが人工物ではないことが信じられない。自然による見事な造形物。「猿岩」はほんまに猿だった。しかも巨大だった。

 ◇   ◇

 車に乗って猿岩を目指し、黒崎半島を走る。緑豊かな景色の中、滞在先の印通寺港フェリーターミナル近くから30分ほど走った。ナビを見ているとそろそろ猿岩が見えるころだ。冷めた気分で前方を見ていたら巨大な猿の頭が見えた。でかい。でかすぎる。猿というよりキングコングといったほうが正しい。

 キングコングが海底に足をつき、水平線のかなたからやってくる敵の襲来に備えているかのようだ。目もあればまつげもあり、鼻の穴さえある。顔の下半分のふくらみ具合は猿そのもの。これが自然に出来上がったとは。

 猿岩は壱岐島の西、黒崎半島のさらに先端にある高さ45メートルの崖にそびえる。長い歳月、日本海の荒い波と風による浸食を受けて出来上がった。自然の奇跡の手による見事な仕事だ。

 壱岐島誕生の伝説に、「壱岐は生きた島なので流されないようにと8本の柱を立ててつないだが、その柱は折れ残り、今も岩となっている」というのがある。その8本の柱の一つが猿岩だと言い伝えられている。2015年に「日本の奇岩100景」に認定された。

 海側から見るとどんなふうに見えるのだろう。地元の人に聞くと、「あまり猿には見えないらしい」とのこと。余計に見たくなってきた。

 ◆アクセス 海路ではジェットフォイルが博多港から高速船で70分(片道4040円)。空路では長崎空港と壱岐空港を約30分(片道1万100円、割引あり)。

 ◆猿岩 長崎県壱岐市郷ノ浦町新田触890の2

 ◆辰ノ島クルーズ レンタカーで移動するならカーナビへの番地入力は壱岐市勝本町勝本浦575の61(勝本町漁業協同組合)。予約・問い合わせは同漁協観光事業案内所(電話0920・42・2020)。料金は大人1500円、子供750円(各種コースあり)。※価格等は取材時のもの。要確認。

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