ディーゼル車の宝箱 京都に次ぐ規模の扇形機関車庫に感激
「テッチャン、歓迎。」とはいいキャッチフレーズだ。テッチャンとは、鉄チャンとホルモンをかけたもので、鉄道とつやま和牛の聖地である岡山県北部の津山市に行ってきた。旧津山扇形機関車庫がある「津山まなびの鉄道館」を紹介したい。
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JR津山駅は津山線、因美線、姫新線が乗り入れる古くから交通の要所でもあった。その西側に2016年4月にオープンした「津山まなびの鉄道館」がある。ここには1936年に造られた旧津山扇形機関車庫がある。09年に経済産業省の「近代化産業遺産」に認定され、全国に現存する扇形機関車庫の中で2番目の規模を誇っている。
全国1番の京都鉄道博物館が蒸気機関車(SL)の宝庫なら、旧津山扇形機関車庫はディーゼル車の宝箱といったところだ。扇形機関車庫に収蔵された13両の中でSLはD51形蒸気機関車だけ。12両はディーゼル機関車や気動車ばかり。案内役の岸本祥吾さんは「機関車トーマスの影響もあり、子どもたちに人気があるのはSLですね」と言うものの、昭和40年代生まれの筆者にとって子どものころ親しんだディーゼル機関車や気動車は心を弾ませてくれた。
中でも国鉄カラーで急行列車に使用されていたキハ58形気動車、特急「やくも」のキハ181形気動車に目を奪われるばかり。加えて岸本さんのイチ押しは、DE50形ディーゼル機関車だ。「日本最大の2000馬力のディーゼル機関車で、1台しか作られていないんです」と説明してくれた。
「津山まなびの鉄道館」は、旧扇形機関車庫だけでなく岡山の鉄道の歴史を知る「あゆみルーム」、津山の街並みをジオラマで再現した「まちなみルーム」、鉄道の構造が理解できる「しくみルーム」など子どもはもちろん、大人も楽しめる施設となっている。
童心に戻り見学を終えると、岸本さんが「ゴールデンウイーク中には、車両を車庫から引き出していつも見ることができない側面を見学できます。車内見学もできる車両もあります」と話してくれた。4月28日から5月6日まで「第3回扇形こどもまつり」が開催され、さまざまなイベントが行われる。特に5月3日から6日は、転車台回転実演イベントも開催される。連休の旅の予定に付け加えることをオススメする。
◇モォ~迷っちゃう!?牛肉バトル開催 5月3、4日「第3回牛魔王選手権」津山市は上質な脂質とぜいたくなうま味のある「つやま和牛」に代表され、B級グルメの「津山ホルモンうどん」、「そずり鍋」など牛肉の聖地である。5月3、4日に中心地にある津山城(鶴山公園)三の丸野外特設会場で「第3回牛魔王選手権」が開催される。
居酒屋や精肉店など17店が出店し、自慢の牛肉料理を販売する。関係者は「数多くの店を訪れてほしい」と料理の値段も500円前後に設定。来場者投票と売り上げで勝負が決まる牛肉バトルとなっている。
市内の居酒屋・上屋の「ネギまみれの焼きそずりポンズ」(500円)が、第1回から連覇を達成。店内での看板メニューにもなっており、香ばしく焼かれたそずりとネギが絶妙で、ポン酢のあっさり味で食べるといくらでも口に入る。打倒・上屋に他店も燃えている。
また、投票外で市内の高校3校とつやま和牛振興協議会、津山ホルモンうどん研究会の5店も自慢の料理を提供する。
◇参拝者急増のパワースポット サムハラ神社奥の宮津山市中心地から北にあるサムハラ神社奥の宮は、パワースポットとして注目を集めている。元々大阪市西区にあるサムハラ神社に指輪形のお守りがあり、パワースポットとして有名になった。最近になって津山市に奥の院があるということで、参拝客が急増しているという。
奥の院というだけあって国道を脇道にそれ、細い山道を登っていく。途中で車を駐車場に止めると、そこからは急な坂道を徒歩で行くことしかできない。汗がにじむころサムハラ神社奥の宮の石垣が目に入る。
同じ敷地内には金比羅神社もあり、先に金比羅神社を参って、サムハラ神社奥の宮を参ると御利益があると言われている。木々の間から降り注ぐ太陽の光が神秘的で、パワースポットに来たことを実感できる。
神社の敷地から細い山道をさらに登ると、日詰山展望台がある。手作り感満載の展望台からの景色は、絶景で参拝とともに行ってほしいスポットでもある。
◆アクセス
自動車 大阪からマイカーなら中国道を利用。津山ICを降り中心地へ約2時間。ハイウエーバスなら大阪から2時40分。
JR 新幹線で岡山駅下車。岡山駅から津山線快速で約70分。
◆入場料
津山まなびの鉄道館 大人300円、中学・小学生100円、小学生未満無料。第3回扇形こどもまつり開催中は中学・小学生も無料。
津山城(鶴山公園) 大人300円。中学生以下無料。津山まなびの鉄道館と津山城のセット券480円もある。
◆問い合わせ 津山市観光協会TEL0868・22・3310