ビッグ冷蔵庫に日本酒びっしり 一杯2000円の「異端教祖株式会社」も

 美人OL4人組がほろ酔いでにっこり
 小白金店長(中央)と女性スタッフ
 
3枚

 大阪屈指の繁華街で“日本酒愛”に満ちた立ち飲み店を見つけた。大阪・心斎橋「日本酒うなぎだに」がそれだ。高い天井に、ゆったりとした店内。この開放感がたまらない。女子に人気なのも納得だ。

 ◇   ◇

 ちょっとした迷路のような奥まったところに、その店はある。インバウンド客であふれかえる心斎橋筋を少し東へ、鰻谷南通と大宝寺通の間。細い路地の突き当たりとあって、まさに鰻の寝床のようだ。

 だが、店内は意外に広く、中に入ると大きな冷蔵庫がドドーンと目に飛び込んでくる。高さ2メートル×幅6メートルほどか。正面の壁半分が日本酒で埋め尽くされているようなものだ。

 「確かに、このサイズの冷蔵庫があるお店は、そうそうないと思いますよ。日本酒は常時100種類ほど取りそろえていて、なくなると旬なものに入れ替えるようにしています」。こう言って小白金正紘店長(32)は冷蔵庫のくもったガラスをさりげなく拭いた。聞けば、元々はこの店のお客だったそうで、その後、紹介もあって「日置桜」で有名な鳥取の「山根酒造場」で修業。今度は従業員として戻って来ており、日本酒への愛情は人一倍。それぞれの立場が分かるのも強みだ。

 システムは冷蔵庫から好みの酒を選んでグラス(90cc)に注いでもらう。銘柄で選ぶもよし、ラベルのデザインで決めるのもありだ。それぞれ値札が掛けられており、この日一番高額だったのは秋田の新政酒造「異端教祖株式会社」でなんと一杯2000円。「限定品なのでなかなか手に入らない。運が良ければ」と小白金さん。新政では米の削り具合で味が異なる「No.6」シリーズ3種(580円~980円)も人気だとか。また福井の「黒龍しずく」も1480円ながら残りあとわずかとなっていた。

 もちろん、380円~480円のリーズナブルな銘柄も多く、私がいただいた大吟醸セット(80cc×紅桔梗など3種類、1280円)は飲み応え十分。アテには名物のう巻き(780円)や、かば焼き(880円)がお勧めだ。それと、おいしく素早く揚げ物ができる「ドクターフライ」を使った鱧(はも)の天ぷら(580円)も鱧好きの関西人にはありがたい。

 平日はサラリーマン中心だが、場所柄もあって、取材した日のように美人OLや熟年カップル、買い物帰りのマダムもチラホラ。たまに外国人も訪れ「ジュンマイギンジョウ」と注文するという。この多様性。それでいて開放感もある。ミナミで飲むなら「うなぎだに」だ。

 ◆日本酒うなぎだに 大阪市中央区心斎橋筋1の3の28 大阪メトロ「心斎橋駅」から徒歩2分。営業時間は月~金・午後3時~深夜0時、土日祝は正午から深夜0時。座席数50(30人以上で貸し切り可)。TEL06・4963・2547

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