山陰を走る美味しい“神話列車” 「あめつち」は山陰の魅力満載
7月の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)で大きな影響を受けた中国地方だが、観光産業の復興に向け「がんばろう!西日本キャンペーン」を今年いっぱい実施している。7月に走り始めた観光列車「あめつち」は山陰の魅力を満載したサービスで好評だ。“神話の国”から元気を発信する列車の魅力に迫った。
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国鉄時代から頑丈で信頼性の高いキハ47形気動車を改造した観光列車は数多くあれど、青を基調とする列車は珍しいのではないか。
「あめつち」のコンセプトは“ネイティブ・ジャパニーズ”。車体は山陰の美しい空と日本海をイメージした「紺碧」で光り輝いている。
大山や宍道湖・出雲大社など神話で有名な沿線をイメージしたエンブレムは、八雲(やくも)や白兎、ワニ(鮫)などがデザインされ荘厳さを演出する。
白木の質感を表現した車内は、鳥取、島根県の工芸品で彩られている。テーブル装飾は石州瓦、窓側の壁面には智頭杉、隠岐の黒松の装飾、洗面所には岩井窯の手洗い器など、こだわりを見せている。なかでも2号車に飾られている神楽衣装のレリーフは印象的だ。
事前予約制だが、車内で提供される料理も山陰の食材をふんだんに使った自慢の品ばかり。上り下りで料理が違うので、それぞれ食べ比べてみるのも楽しい。
ローカル線の情緒が満載の山陰本線。大山と日本海(名和~大山口)、宍道湖(乃木~玉造温泉)、斐伊側(直江~出雲市)の3つの区間で時速45キロまで速度を落として運転する。特に宍道湖畔に近づくと車内で歓声が上がる。
「おみくじをどうぞ!」と車掌さんがおみくじ箱を持って回ってきた。神話の国を走る「あめつち」は間違いなく“大吉列車”だ。この秋イチ推しです。
◆運転日 2019年2月までの年末年始を除く土・日・祝日
◆運転区間 鳥取~出雲市1往復
◆使用車両 キハ47形改造グリーン車2両編成、59席
◆運転時刻 下り:鳥取発9:00→出雲市着12:47、上り:出雲市発13:41→鳥取着17:36
◆利用料金 全席指定、乗車券の他に指定席グリーン券が必要。鳥取~出雲市で大人4540(こども3240)円。