アテンダントと「えち鉄」ロケ地を訪ねて 福井「えちぜん鉄道」舞台の映画、11月公開

 「えち鉄」の愛称で親しまれる福井県の「えちぜん鉄道」には、アテンダントと呼ばれる女性客室乗務員がいる。切符の発売や観光案内、乗客のちょっとした困りごとにも応対する。そんなアテンダントがヒロインの映画「えちてつ物語 わたし、故郷に帰ってきました。」(児玉宜久監督)が11月23日に公開。(福井県は同月3日先行公開)。えち鉄に乗り、撮影地を訪ねた

 田園風景の中、1両編成のかわいらしい電車が走る。車内には帽子にスカーフ姿のアテンダントが。沿線の見どころをアナウンスしたり、乗降のサポートや切符の販売・回収など“車掌とガイドのあいだ”のような役割だ。

 アテンダント制は、えち鉄開業(2003年)時から。無人駅が多いことなどがきっかけだという。沿線には恐竜博物館や、劇中にも登場する芦原温泉、東尋坊といった観光地も多いが、通学などに利用される地元の大切な足だ。

 アテンダントになって3年目の細川百合さん(29)は、「学生の頃、アテンダントさんに親切にしてもらったのがとてもうれしくて憧れていました」と話す。同作のヒロイン、いづみ(横澤夏子)のように研修を経て初めて1人で車両を任されたときは「ものすごく緊張しました」と振り返った。

 「福井で生まれ育ちましたが、この仕事について改めて地元の良さを知ることができました。お酒やお米がおいしくソースカツ丼や、おろしそばなどの名産品も素晴らしいですよ」

 名物・おろしそばを、ロケ地となった勝山市内の「手打ちそば 八助(はちすけ)」でいただくことに。いづみの兄、吉兵(緒形直人)が営むそば屋として、店名もそのままに撮影した。元はひき屋で、今も石臼でひいた粉を手打ちする。

 同店の義野陽子さんは、「福井では、そばはおやつ感覚ですね。特に『勝山おろしそば』は、大根おろしが入っただしをそばにかけて食すぶっかけスタイルです」と話す。

 撮影前、陽子さんの父で店主の義野正雄さんが緒形に指南した。「そばびきは本当に難しいのに、ちょっとの練習ですぐにコツをつかまれて。さすがは俳優さん」と陽子さんは感心しきり。

 そばを堪能した後はえち鉄に揺られてのんびりロケ地となった場所へ。光サイフォンの本格コーヒーがおいしい勝山駅の「えちてつカフェ」、縁起が良いと“撮り鉄”に人気の「下兵庫こうふく駅」でパチリ。さらに北上し、あわら温泉駅前の足湯でほっこりと。映画のシーンを思い浮かべながら巡ると、さらに楽しい。。(デイリースポーツ特約記者・入谷晴美)

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