2024.01.10

年度代表馬はイクイノックス　史上初のキタサンブラックと父子２年連続受賞　ルメール「忘れられない馬」

　「２０２３年度ＪＲＡ賞」の受賞馬選考委員会は９日、東京都港区のＪＲＡ本部で行われ、イクイノックスが最優秀４歳以上牡馬に選出されるとともに、年度代表馬の座に輝いた。昨年に続いての栄冠で、父キタサンブラックに続く父子での２年連続受賞は史上初の快挙。今年新設された最優秀マイラーはソングライン、最優秀スプリンターはママコチャが受賞。一方、１７年ぶりに全部門で満票での選出がないという異例の事態となった。授賞式は２９日に都内ホテルで行われる。

　歴史的名馬にまた一つ勲章が加わった。昨年に続き、今年もイクイノックスが年度代表馬に輝いた。ドバイシーマクラシック、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンＣと国内外のＧ１を圧巻の強さで４連勝。記者投票２９５票中２９３票と惜しくも満票とはならなかったが、最優秀４歳以上牡馬のタイトルとともに堂々の受賞となった。

　１６、１７年年度代表馬キタサンブラックとの父子での２年連続受賞は史上初の快挙だ。ロンジンワールドベストレースホースランキングでトップレーティングをマークするなど、名実ともに“世界１位”に。通算獲得賞金でもアーモンドアイを抜き、歴代１位の２２億１５４４万６１００円に到達。記録にも記憶にも残る走りを披露し、現役最強のまま引退＆種牡馬入りした。

　２年連続の栄冠に、ルメールは「２３年、ハイレベルで素晴らしいパフォーマンスで、４戦４勝とパーフェクトな成績を残してくれました。私にとっては忘れられない馬です」と喜びのコメント。木村師は「大変光栄に思っております。秋２戦は世界中のファンの皆さまに納得していただける、世界一のパフォーマンスをしてくれたと思っております」と愛馬をねぎらった。

　今後は北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬としての新たな戦いが始まる。初年度から父と同額の種付け料２０００万円と破格の評価を受けており、馬産地の期待も大きい。師は「彼ならその期待に応えてくれると思います」とエールを送った。２世は２７年夏以降にデビュー予定。偉大な遺伝子を受け継いだ才能が、父の成し得なかったクラシック制覇の夢をかなえてくれるはずだ。