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JRAで女性初の場内実況デビューした藤原菜々花アナ 痛感した難しさと目指す“当たり前”の実況とは 騎手、調教師に続き新風

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 7人目の現役女性ジョッキーが誕生し、前川恭子さんがJRA史上初の女性調教師となるなど、昨今の競馬界は女性の活躍が目覚ましい。そんななか、3日の中山競馬場では、ラジオNIKKEIの藤原菜々花アナウンサー(26)が、JRA史上初めて女性による場内実況を担当した。反省いっぱいの初陣となったが、それでも大きな大きな第一歩。『牝馬限定G1の実況担当』という夢に向かって、ここから挑戦を続けていく。

 3日の中山3R。競馬場内はいつもと違った雰囲気に包まれた。「外から上がってきた3番のメジャーレーベル、メジャーレーベルが一気にかわしてゴールイン」。場内実況がレースの様子を伝えたが、その声は聞き慣れたものではなかった。

 このレースの実況を担当したのは、ラジオNIKKEIの藤原菜々花アナウンサー。今年1月に同局内の番組『中央競馬実況中継』で経験はしていたのだが、競馬場内に流れる実況はこのレースが初めて。ちなみに、女性アナウンサーによる場内実況自体が、JRAの歴史の中でも初めてのことだった。

 藤原アナは20年にラジオNIKKEIに入社。当時はコロナ禍で報道陣も競馬場への入場制限があり、これまでのアナウンサーとは違う環境でのキャリアスタートとなった。そんな状況下でも自らの腕を磨き、今回のデビューへとつなげた。

 担当を伝えられたのは、レース2日前の金曜日。「上司の中野アナウンサーから『自信はあるか』と聞かれて、たどたどしく『自信はあります』と答えました。決まったからには頑張りたい。入社してから場内実況デビューを目標に練習してきましたし、その時は素直にうれしいと思いました」と振り返る。

 ただ、現実は決して甘くはなかった。緊張もあっただろう。「直線でモタつくところがあり、満足のいくものではありませんでした」。いつもの練習でできていたことが、本番では…。ほろ苦いデビュー戦を振り返った。それと同時に、場内実況の重要さを再認識。「自分の声が場内に響き渡っているという経験をして、場内実況とはこういうことなんだなという責任を感じました。これを次に生かして頑張っていきたいと思いました」と前を向く。彼女にとっては貴重な一日となった。

 入社から掲げていた目標へたどり着いたが、まだまだスタートラインに立ったばかりだ。現段階で次の“登板”は未定となっているが、今後に向けて「レースの邪魔をしない実況ができるように心掛けたい。レースを見ている方々がレースだけに集中できるような-、そんな実況ができるアナウンサーになりたいです」と力強く語った。

 頭の中では分かっていた当たり前のこと。それでも、実際に経験して未熟さを痛感したことで、この“当たり前のこと”の難しさが分かった。やらなければならないことはたくさんある。その上で、「もしできるのなら、将来的には牝馬限定G1の実況がしたい」-。そんな日を夢見て、彼女は挑戦を続けていく。

 競馬実況も、かつては井口保子氏がラジオで実況していたり、地方競馬では女性が場内実況を担当することもあるが、その数は少ない。他の競技でも女性はいるものの、メインは男性である。そこにはいろいろな要因があるのだろう。記者はこの実況を中山競馬場で聞いて、ある種の違和感を抱いた。ただ、それは決して嫌なものではなかった。

 JRAでは現在、多くの女性ジョッキーが活躍しており、今年1月には前川恭子調教師がJRA史上初の女性トレーナーとなった。そして今、競馬実況の世界にも新しい風が吹きつつある。(デイリースポーツ・小林正明)

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