楽天・フェルナンド感涙…5年目で初のお立ち台 育成からはい上がった男が4打点
「楽天7-2日本ハム」(30日、楽天生命パーク宮城)
決して折れないその心が、チームの窮地を救った。負ければ5月17日以来となる借金生活の状況で、楽天・フェルナンドのバットが勝利をたぐり寄せた。まずは四回。2点を先制してなお1死満塁で、日本ハム先発・北浦の直球をたたき左越えの3点二塁打を放った。
1打席目は直球を強引に打って三ゴロ。だが「しっかり浮いてきた球を打とうと思った」と冷静に気持ちを切り替え、結果につなげた。2点を返された直後の六回1死二塁も中前適時打で貴重な追加点をたたき出した。
平石監督も「(六回の)あの1点は大きかった」と絶賛。昨年オフに育成契約となったが「折れず、あきらめず、これと決めたことを貫いてきた」と7月に支配下復帰を勝ち取った。その成長を示した形だ。
プロ5年目で初のお立ち台。ファンの声援にあふれる涙をぬぐった。ただ、満足はしていない。「何でもいいので貢献したい。1軍の選手に食らいつきたい」。苦労人の熱い思いが、CS進出を目指すチームを押し上げる。