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健さん、涙と笑いで受刑者を激励

2012年8月27日

 富山刑務所内の第2通路に姿を見せた高倉健

 富山刑務所内の第2通路に姿を見せた高倉健

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 二重の意味でのスタート地点に戻ってきた高倉は、受刑者を前に作品のテーマでもある「人を想うことの大切さ」を説くと、「1日も早く、あなたにとって大切な人のところに帰ってあげて下さい。心から祈ってます。どうぞお元気で出所して下さい」と声を詰まらせながら、語りかけた。

 高倉をよく知る関係者によると、人前で涙を見せたことはないといい、高倉本人も「なぜだか涙が出た」と振り返った。だが、せつせつと語る高倉に、心を打たれた受刑者から大きな拍手が湧き起こった。

 「網走番外地」(1965年)や「昭和残侠伝」(65年)など任侠映画で絶大な人気を誇った高倉だが、実は刑務所の内部で撮影したのは今作が初めて。以前に刑務所のすぐ近くでゲリラ撮影をしたときには職員に水をかけられたこともあったという。「自分は、日本で一番多く皆さんのようなユニホーム(舎房衣)を着た俳優だと思います」とあいさつし、笑いを誘うなど、異例の“舞台あいさつ”に感慨もひとしおだった。

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