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勘九郎 勘三郎さんの死乗り越え完走

2012年12月27日

 千秋楽まで舞台に立ち続けた中村勘九郎(左)と七之助(12月5日撮影)

 千秋楽まで舞台に立ち続けた中村勘九郎(左)と七之助(12月5日撮影)

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 誰よりも舞台を愛した父への思いから、勘九郎と七之助は、父が死去した5日も、早朝に東京を発(た)ち、京都に戻ってきた。舞台では「前に進むしか(ない)。そうしないと(父に)怒られる」と“涙の口上”。以降も休むことなく舞台に立ち続けた。

 この日も「今も信じがたく、受け入れ、受け止めてその一歩を進めることが、なかなか数日できませんでした」と振り返った勘九郎は、千秋楽慣例で芸妓が並ぶ客席を見回し、「きょうは父が好きだった京都の街の方もいらしゃってます」と、賑(にぎ)やか好きだった父を偲んだ。

 勘三郎さんが食道がん手術を受けた直後の今年8月、「神出鬼没な人ですから」と回復した父が師走の京都を訪れる望みを語っていた勘九郎。満員御礼の客席に父の姿はなかったが、「父は『大丈夫か、(お客さまは)入っているか』といつも心配していましたが、自信をもって入っていると言えます」と胸を張った。終演後には本紙の「お父様に報告ができますね」の問いに「ありがとうございます」と無事に舞台を務め終えた安どの表情も見せた。きょう27日には東京・築地本願寺で勘三郎さんの本葬が営まれる。勘九郎は弟・七之助とともに喪主を務め、舞台の成功を天国の父にたむける。

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