真央、ライバルのイメージ戦略に勝て!
2014年2月10日
“サブミナル効果”という言葉がある。これは潜在意識に刺激を与えることで表れるとされる効果のことで、本人に自覚させないで、特定の行動を起こしたくなるように相手の潜在意識に刷り込むことをいう。いわば暗示に一種で、テレビCMなどでは禁止されている。ソチ五輪のジャッジが、この“サブミナル効果”というマジックにはまる危険性は十分にある。
フィギユアスケート競技のジャッジはレフェリー1名、テクニカル・コントローラー、テクニカル・スペシャリスト1名、そしてアシスタント・スペシャリスト(1名に加え、データ&リプレイオペレーター、採点ジャッジで構成されている。すでに採点に参加する13カ国が選出されており、大会前に抽選を行い9名が第1セグメント(SP)を担当。外れた4名はFS担当に回る。さらにSPを担当した9人から再抽選が行われ、選出された5名がフリーを担当することになっている。この13カ国に入っていれば、SP、フリーの双方か、いずれかのジャッジを担当できる。双方から外れることはない。女子フィギュアに関しては、日本、韓国ともに13カ国に名前を連ねており浅田とキム・ヨナの条件には差はないのかもしれない。
バンクーバー五輪では浅田とキム・ヨナの得点差が23.06点とあまりに開いたが、異議は申し立てられない。ISUのルール123条4項で、通常「抗議の制限」と呼ばれるものがある。フィギュアで抗議が認められるのは「数値計算上の誤り」、いわば足し算などの計算ミスのみで、「要素の認定や技のレベル認定の誤り」は人為的ミスであって「数値計算上の誤り」ではないためで、選手やコーチが疑問を呈する道がない。 現状では指をくわえているしかない。
なにも特定の国や選手に関してあげつらう気はない。ただ、同じ条件でしのぎを削るからこそのスポーツ競技ではないのか。リンクの外の戦いではなく、リンク内での勝負がみたい。その上で、浅田のいう「笑顔で終われるようにしたい」と結果になれば最高だ。注目の女子フィギュアは19日から始まる。
(デイリースポーツ・今野良彦)