「Ｗ杯アジア最終予選、日本‐ヨルダン」（８日、埼玉）

　サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督（５９）が６日、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド移籍が決まった香川真司（２３）にエールを送ったことを明かした。直接、マンチェスター・ユナイテッドで３年間生き残ることを命じ、厳しい言葉でエースの門出を喜んだ。日本代表はこの日、合宿中の埼玉県内でヨルダン戦へ向けて冒頭３０分以外を非公開とする練習を行った。

　日本代表合宿中であることを考えると、異例の発言だ。ザッケローニ監督がヨルダン戦へ向けての取材を受けていた時のことだ。「選手（香川）から触れたくないと聞いていますが、触れないのは難しいのかな」‐。そうつぶやき、香川にザック流のエールを送ったことを明かした。

　「この時点では幸運を祈る、という声をかけましたが『おめでとう』とはかけていません。これはスタートであって到達点ではない。３年後に（マンチェスター・ユナイテッドに）残っていて、いいプレーをしていたら、その時に初めて電話でおめでとうと声をかけるからと、話をしました」

　就任以来、監督はチームの中心に香川を据え続けてきた。オマーン戦を前にした立正大との練習試合では緊張感が足りないとカミナリを落としたが、それも期待をしているからこそ。ザックジャパンからは、インテル・ミラノに移籍したＤＦ長友に続く欧州のビッグクラブへの移籍に「２人の選手が世界レベルに行った。日本の育成システムが認められたのはいいこと」と目を細めた。

　連勝をかけたヨルダン戦へ向けては「いい準備ができている。（選手の）モチベーションも高いと見受けられる」と自信をみなぎらせた。「３年後に（電話を）かけられると確信している」と全幅の信頼を置く香川を、Ｗ杯予選３連勝でマンＵへ送り出す。