誕生日を迎えてもテーマは変わらない。日本代表のＭＦ本田圭佑（２６）＝ＣＳＫＡモスクワ＝が１３日、２６歳最初の言葉を発した。「スタイルを固めるつもりはさらさらない。みんなが理解している本田圭佑のプレーをさらに根強くしていく必要がある。それがなくては本田圭佑ではないことも重々承知している」。帰りの機内でファンから祝福された３連戦の“ＭＶＰ”は、さらなる進化を誓った。

　一方で“悩める２６歳”の側面も見せた。やむことのないゴールへのこだわり。そのためには現在のトップ下から、よりゴールに近いトップへポジションを移す選択肢もあるのかもしれない。だが、本田は断言する。「僕にはまだまだトップをやれる能力はない。クオリティーを考えたら正直、素人同然で、やるべきことをやっているＦＷと比べたら失礼なくらい」

　もちろん葛藤もある。「ＦＷは選ばれた人間がなるポジション。エースなんですよ。子ども心の憧れみたいなイメージはありますし、生涯をＦＷで終えたいくらいのメンタルは持ってます」

　理想と現実の調和の中で、金狼はより完全な存在に近づいていく。