イチロー氏が語った50歳にして進化の理由 前日138キロマーク「壁を超えた。毎日限界を迎える練習をしているとこうなる」 昨年までは最速134キロ
米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー氏(50)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が22日、都内で前日に対戦した女子野球センバツチームとの講習会を行い、質疑応答に答えた。
質疑応答の内容は次のとおり。
-ピンチやチャンスでのメンタルをどう保っているのか
「ピンチはチャンス、という人がいるが、少なくとも自分はそんなメンタルにはなれない。(自分の場合は)額面通りのピンチに立ち向かう、ということを繰り返してきた。ただ、後になってあのピンチは自分にとってのチャンスだったと思えることがたくさんあった。ピンチをピンチとして捉え、それを(なんとか)乗り越えて『あれは自分を前に進めるためのチャンスだった』と言える日が来てほしい。(ピンチに際し)そこから逃げ続けた人にはそんな日はこないですから」
-野球を今も続けていられる理由
「野球が好きだから。あとは練習するときに必ずその日の限界を迎えるようにしている。これ以上やるとオーバーワークで怪我をする、とか寒くなると風邪ひきそうだな、と感じる。(自分の)センサーがその感覚を送ってくることを毎日繰り返す。そうしないと上手くなれないし、(怪我などに)強くなれない」
「去年までの最速が134キロだった。僕の中では135キロの壁があったが昨日は138キロが何球かあった。50歳になって球速が上がるのはあまり自然なことではない(笑)。でも、そうやって毎日限界を迎える練習をしているとこうなる、ということ。50になってもこれができる、という感触を得たことは僕にとってすごく大きい。50歳が135キロの壁を超えた。だから皆にも(各自が目指していることは)できるし、やってほしい。思い込み、というものはだいたいが悪い方向に作用するが、皆にはそれを取っ払ってほしい」
-イチローさんが苦手な相手投手とは、どんな選手?(前日の試合でイチロー氏から三振を奪った選手からの問い)
「僕が嫌なピッチャーは堂々としているピッチャー。マウンド上で自信なさそうにしているピッチャーは打ち取られても全然(平気)。バッターは受け身の立場なので、相手に自信を持って投げ込まれると(気持ちで)押される。(その状態は)ピッチャーに分かる」