桑田氏 杉内に“18番の心得”伝授「人間的に強くならないと、18番をつける資格はない」
【2012年1月30日付デイリースポーツ紙面より】
2006年に死去した元巨人監督の藤田元司氏(享年74)の七回忌法要が29日、都内で営まれ原辰徳監督(53)、OBの桑田真澄氏(43)らが参列した。桑田氏は、ソフトバンクからFAで巨人に移籍し、背番号18を受け継いだ杉内俊哉投手(31)にエールを送った。藤田氏に教えられた『18番の心得』を春季キャンプで杉内に伝授する考えを明かした。
杉内よ、球界のエースになれ‐。桑田氏が、巨人時代の背番号『18』を受け継ぐ左腕に熱いエールを送った。同氏は、18番を背負った藤田氏からその“心得”を伝授されたという。
「20、21歳くらいで僕が一番、厳しい時期に『18番を着けているんだから成績を残すだけじゃないよ。球界のエース番号だし、人間的にも強くならないと、18番を着ける資格はないんだよ』と(言われた)」
盟主・巨人で18番を背負う投手は、球界のエースとして君臨しなければならない。そのためにはプレッシャーやバッシングにも負けない強じんな精神力が必要だ。エースナンバーを着けた選手にしか分からない体験談。ズシリと心に響く藤田氏の教えを胸に刻み、18番を守り続けた。
桑田氏の巨人退団後、5年間、空き番になっていた18番を杉内が背負う。「彼にもその藤田さんの遺志は伝えたいと思いますし、頑張ってもらいたい。キャンプに行きますので楽しみにしています」。巨人の春季キャンプ地を訪問した際に“藤田魂”を伝授する。
18番の“先輩”として「彼(杉内)、今は分からないと思うんですけど、シーズンに入ると恐らく分かると思う。すごい重圧はあると思うんですよ」と気遣った。受け継がれている巨人軍の伝統の中でも背番号18の重みは別格。桑田氏は“後輩”の奮闘を温かく見守る構えだ。