復刻ユニで甦る　猛牛いてまえ軍団「近鉄バファローズ」よ永遠なれ

オリックスとの吸収合併から13年、豪快な「いてまえ打線」と「江夏の21球」「伝説の10・19」などの悲運を持ち合わせた「近鉄バファローズ」は男のロマンにあふれていた！（敬称略）

公開日：2017.5.8

大毎・阪急・近鉄と３球団で８度優勝も日本一になれなかった“悲運の名将”西本幸雄

５度の優勝（大毎1960年、阪急67～69、71～72）経験を引っさげて74年から近鉄監督に就任。鉄拳制裁も辞さぬ熱血指導で弱小球団を一から育て上げ79、80年と連覇を果たす。81年に勇退を表明。近鉄ＶＳ阪急の最終戦では両軍選手から胴上げされた。88年殿堂入り。

監督在任５年すべてＡクラス「いてまえ軍団」操った“魔術師”仰木彬

88年、監督就任１年目で西武との壮絶なデッドヒートの末「伝説の10・19」で優勝を逃す。翌89年はオリックス、西武との大接戦を制して優勝したが、日本シリーズでは巨人に３連勝４連敗で日本一を逃す。90年入団の野茂を擁して西武に挑むも優勝には届かず、92年に勇退。
94年からオリックス・ブルーウエーブの監督に就任。イチローらの才能を開花させ、95年、阪神・淡路大震災で被災した球団として「がんばろうKOBE」を合言葉に快進撃し、オリックスとして初の優勝を果たした。01年退任。
05年、近鉄が吸収合併される形で誕生した「オリックス・バファローズ」監督に就任。70歳という年齢と病を押しての采配で３年連続最下位から脱出し４位となったが、わずか１年で退任し、２ヵ月後に死去した。04年殿堂入り。

最後の300勝投手！歴代４位317勝の「草魂」鈴木啓示

65年入団、実働20年で317勝を挙げた大エース。先発勝利288勝は歴代1位。93年に近鉄監督に就任したが、「走れ走れ」の練習方法をめぐって、トレーニングコーチや投手陣と対立。野茂、吉井が退団するきっかけとなってしまった。近鉄的には残念な話だが、野球ファン的には「メジャーリーガー野茂英雄の（ある意味）生みの親」といえるのかもしれない。02年殿堂入り。

88年「10・19」完投２日後にダブルヘッダー登板した「トレンディーエース」阿波野秀幸

86年ドラフトで同じ１位、同学年の日本ハム・西崎幸広と女性人気を分け合った「トレンディエース」。87年には西崎に競り勝って新人王。88年には14勝を挙げ西武猛追に貢献し、伝説の10・19ではダブルヘッダーに両方登板した。２戦目（近鉄の最終戦）では９回裏に二塁けん制で走者を刺したが、このプレーでロッテ・有藤監督が猛抗議、結果的に延長10回時間切れ引き分けの伏線となってしまった。