柔道女子、団体で金 個人金ゼロの雪辱

 「柔道世界選手権」(1日、リオデジャネイロ)

 団体戦が行われ、個人7階級で優勝を逃し、22年ぶりの金メダルゼロに終わっていた日本女子は決勝でブラジルを3‐2で破って優勝した。日本女子は準優勝だった前回の2011年大会を上回った。78キロ超級銅メダルの田知本愛(ALSOK)と52キロ級銅メダルの橋本優貴(コマツ)が4戦全勝の活躍。田知本愛は決勝で2‐2からの大将戦を制した。副将の西山将士(新日鉄住金)が右肘のけがで欠場し、4人で臨んだ日本男子は韓国との3位決定戦を4‐1で制し、11年大会に続く銅メダルを獲得した。

 ここまでの惨敗のうっぷんを晴らすかのように、日本女子が頂点に駆け上がった。70キロ級で初戦敗退の田知本遥(ALSOK)や57キロ級でメダルに届かなかった山本杏(国士舘大)は顔をくしゃくしゃにさせて泣いた。

 宿舎を出発する前、南條監督は「絶対に勝って帰るぞ」と選手に気合を入れた。出場しない48キロ級の浅見八瑠奈(コマツ)らは早朝から栄養士と一緒におにぎりを握ってサポート。チームの士気は一気に高まった。

 流れを呼んだのは先鋒(せんぽう)の橋本。4試合全勝し「意地の金メダル」と胸を張る。大将の田知本愛は2‐2で迎えたブラジルとの決勝で積極的に攻めて指導を誘い優勢勝ち。完全アウェーの中で勝負を決め「前の選手たちが勢いをつけてくれて闘いやすかった」と達成感に浸った。

 個人戦は22年ぶりの優勝なし。どうしても暴力指導問題の影がつきまとった。決勝の前に「いろいろなことがあった。せめて団体くらいは勝たせてあげたい」と願っていた増地千代里・女子強化部長は、観客席から涙を流して奮闘を見守った。選手、指導者のさまざまな感情が凝縮し、苦しんだ日本女子の世界選手権が幕を閉じた。

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