鶴竜3連勝 不安払しょくでV争い期待
「大相撲名古屋場所・3日目」(14日、愛知県体育館)
2場所連続全休から復帰の横綱鶴竜が高安を押し出しで退け、初日から3連勝。左肩故障の影響を感じさせない好内容に、北の湖理事長(元横綱)も優勝争いを期待した。横綱白鵬は栃ノ心を一蹴、新大関照ノ富士も妙義龍を下し無敗を守った。大関豪栄道と琴奨菊も連敗を止め、上位陣は今場所初めて安泰だった。
鶴竜が2場所休場明けの不安を3日で払しょくした。前日、白鵬を苦しめた高安に何もさせなかった。右四つで組むと、左上手投げで相手を崩し最後は冷静に押し出した。
「しっかり体が動いた。常に自分で動いて反応したので良かったですね」と、納得顔で振り返った。
左肩腱板(けんばん)損傷も癒え、1月の初場所以来、3場所ぶりの出場。テレビ中継を見ながら「つらかった」と言う日々を土俵で晴らしている。
初日から逸ノ城、佐田の海と難敵を一蹴しての3連勝。「初日に勝ったことでだいぶ気持ち的に楽になった。その後はしっかり自分の相撲に集中できている」と、相撲勘は完全に戻っている。
北の湖理事長(元横綱)は「危ない相撲が一つもない。対応が早いからいいですよ。勝ち込んだらおもしろい」と目を細め、優勝争いを期待した。
5月末には第1子となる愛娘、アニルランちゃんが誕生。モンゴルに里帰り中で毎日、送られてくる写真を見て電話をするのが何よりの癒やしだ。
横綱日馬富士が負傷休場となり「その分、頑張らないと」と気合十分。「まだ3日目ですから、まだまだ」。優勝争いは白鵬、照ノ富士ばかりじゃない。充電満タンの鶴竜が食い込む。