日体大「山下りの神」誕生、秋山区間新

 「箱根駅伝・復路」(3日、芦ノ湖駐車場~大手町=5区間)

 「山下りの神」が日体大に誕生した。2年連続で6区に挑んだ秋山清仁(3年・順天)が58分9秒で駆け降り、初の区間賞を区間新記録で獲得。昨年の早大・三浦雅裕が樹立した記録を22秒更新するだけでなく、コース変更前の2011年に千葉健太(当時駒大)がマークした58分11秒をも上回る好タイムだ。

 「区間賞は狙っていたけど区間新が出るとは思わなかった。一斉スタートだったのでタイムは気にせず、後ろを引き離すことだけ考えたのが良かったのかな」。日体大では1989年の川嶋伸次以来、27年ぶりとなる6区区間賞を喜んだ。

 山下りに適性があると知ったのは順天高2年の夏合宿だった。長野県・菅平の下りコースで陸上部の藤本正隆監督がたまたまビデオ撮影。後ろに反り返らず、脚の回転にブレーキがかからないフォームを褒められた。そこから「自分は山下りに強い」と信じられるようになった。

 順天高時代は部員が多くて6人。高3の6月以降はたった1人となり、駅伝大会には一度も出られなかった。「悔しくて何度も泣きました。駅伝がある今はうれしくて仕方がない」。だから足の皮がはがれる過酷さで知られる6区だって、喜んで引き受ける。「下りは本当に大好き。終わっちゃうと残念-と思うぐらい。つらいと思ったことはないし、もっと上のレベルを目指したい」。6区区間賞を獲得した日体大OBの川嶋、谷口浩美はともに五輪マラソン代表。山下りでの区間新を弾みに秋山もその領域へ駆け上る。

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