森秋彩トップ通過!ボルダリングにスーパー中学生 課題4つを「一撃」一発クリア

 「スポーツクライミング・ボルダリング・ジャパンカップ」(28日、代々木第二体育館)

 20年東京五輪の追加種目、スポーツクライミングのボルダリング日本一をきめる大会の男女予選が行われ、女子で中学1年生の森秋彩(あい、13)=茨城県連盟=が、昨年の世界選手権銀メダリストでW杯総合2位の野中生萌(みほう、19)=東京都連盟=らを抑え、トップ通過を果たした。男子は昨年の世界選手権を制した楢崎智亜(ともあ、20)=栃木県連盟=らが準決勝に進出。29日に準決勝と決勝が行われる。

 まだあどけなさの残る13歳が、体を自由自在に操り、ひょいひょいと壁を登っていった。森は最初の4つの課題は「一撃」と呼ばれる一発クリア。ラストの5課題目で一度落ちてしまい、「悔しい」と苦笑いしたが、2度目でしっかり完登。世界2位の野中らを抑えてのトップ通過に「ビックリした。たまたまだと思う」と、つぶらな瞳を丸くした。

 東京五輪に出るために、生まれてきたような逸材だ。小学1年生の時に父正夫さんの勧めで、近所にできたクライミングジムで競技を始めると「登った時の達成感にハマった」と、メキメキと上達した。

 小学2年生の時にはイタリアの国際大会アルコロックジュニアに出場。ボルダリング、リード、スピードの全カテゴリーで優勝し、現地を驚かせた。昨年6月に行われたリードのジャパンカップでは、シニアに交じり12歳で史上最年少優勝。ボルダリング、リード、スピードの3種目の複合競技となる東京五輪に向け、“マルチクライマー”ぶりは大きな強みとなる。

 昨年11位に終わった今大会に向けては、ボルダリングに必要な瞬発力を養うために、片足スクワットで脚力を鍛えた。昨年9月の誕生日にはプレゼントとして、家の玄関のドアに懸垂用の器具を設置してもらい、腕の筋力も強化。成果をしっかりと発揮した。

 29日は準決勝と決勝が行われる。「東京五輪に出て、優勝したい」。無限大の可能性を秘めた天才少女が、ボルダリングでも日本のトップに登り詰める。

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