陸連・伊東強化委員長が不可解辞任 後任に麻場氏再登板
日本陸連は19日、都内で理事会を行い、伊東浩司強化委員長(47)の辞任を承認した。伊東氏は男子100メートル前日本記録保持者で、昨年9月に就任。20年東京五輪を見据えての起用だったはずが、東京五輪まで2年以上を残して退くことになった。伊東氏は理事も辞任。後任には前強化委員長の麻場一徳氏の再登板が承認された。
不可思議な辞任劇だ。伊東氏は「公務」を理由に理事会に姿を見せなかった。尾県貢専務理事は、12月初旬に本人から申し出があったことを明かした上で、辞任の理由について【1】甲南大の教授として学務が多忙になること、【2】桐生による日本人初の9秒台で区切りとしてちょうどいいこと、【3】陸連から距離を置き、強化組織の透明性とあり方を考えたい、という3点があったと説明。ただ、【1】、【2】については就任当初から予想できたこと。【3】について、尾県専務理事は「現状に特に問題はない」と強調した。伊東氏自身の言動や行動も「それはない」と、問題はなかったとの認識を示した。
この2年余りで3回目の強化トップの交代。男子短距離を中心にした陸上の盛り上がりに、内部のゴタゴタが水をさしている。