17歳・素根、全日本女子史上初の初出場Vも…世界代表入りならず

 「柔道・全日本女子選手権」(22日、横浜文化体育館)

 女子78キロ超級の世界選手権(9月、バクー)代表最終選考会を兼ねて体重無差別で行われ、高校3年の素根輝(そね・あきら、17)=福岡・南筑高=が、史上初となる初出場初優勝を果たした。ただ、その後に行われた全日本柔道連盟の強化委員会を経て、素根の世界選手権代表入りはならず、同大会の団体戦代表およびアジア大会(8月、ジャカルタ)代表に選出された。

 準決勝では、前回覇者の朝比奈沙羅(21)=パーク24=と対戦した。序盤は劣勢だったものの、下から突き上げる左釣り手で相手の攻撃を徹底防御。無尽蔵のスタミナで延長戦になっても攻め続け、最後は相手の指導3つによる反則勝ちとなった。

 全日本選抜体重別選手権に続いてエースからの2連勝で大きくアピールした素根。しかし、昨夏の世界選手権2位となって以降も世界無差別選手権、グランドスラム(GS)東京、GSデュッセルドルフと3連勝していた朝比奈に対し、自身はGS東京2位、GSパリ3位と、国際大会での実績で劣っていた。

 日本女子の増地克之監督は「選考基準は世界で金メダルを獲得できる可能性が高い選手」と前置きした上で、「朝比奈は外国人に強くて、ポイント獲得率が94・6%。一方、素根は67・5%と約30%差がある。世界で金メダルを獲る可能性を考えた」と説明。同階級では2010年大会の杉本美香を最後に世界で金メダルを取れていないだけに、より確実性を重視した選考となった。

 ただ、17歳のホープに対し、増地監督は「選抜体重別からさらに朝比奈との差が縮まった。組み負ける場面が試合を追うごとになくなっているし、スタミナもある。今回は代表から外れたが、来年、そして2020年に向けて非常に楽しみ」と期待を寄せた。

 ◆世界選手権代表

 48キロ級…渡名喜風南(パーク24)

 52キロ級…志々目愛(了徳寺学園職)、阿部詩(兵庫・夙川学院高)

 57キロ級…芳田司(コマツ)

 63キロ級…田代未来(コマツ)

 70キロ級…大野陽子(コマツ)、新井千鶴(三井住友海上)

 78キロ級…浜田尚里(自衛隊体育学校)

 78キロ超級…朝比奈沙羅(パーク24)

 団体戦…玉置桃(三井住友海上)、素根輝(福岡・南筑高)

 ◆アジア大会代表

 48キロ級…近藤亜美(三井住友海上)

 52キロ級…角田夏実(了徳寺学園職)

 57キロ級…玉置桃(三井住友海上)

 63キロ級…鍋倉那美(三井住友海上)

 70キロ級…新添左季(山梨学院大)

 78キロ級…佐藤瑠香(コマツ)

 78キロ超級…素根輝(福岡・南筑高)

 団体戦…舟久保遙香(三井住友海上)、田中志歩(環太平洋大)、稲森奈見(三井住友海上)

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