有森裕子氏も憧れた天才ランナー 引退の一因が摂食障害だったと明かす
元陸上選手の大国美喜子さんが13日、TBS系「消えた天才」に出演。現役引退の理由として、摂食障害が一因だったことを告白した。
大国さんは、同世代で五輪メダリストの有森裕子氏が「天才的」とあこがれた素質を備えたランナー。高校2年の全国大会で、1500メートル4分25秒1の高校新記録で優勝。一躍注目を集めると、高校3年では日本選手権1500メートルで優勝を飾った。
その後、陸上の名門中大に進学。日本学生選手権3000メートル3連覇を飾るなど活躍し、日本代表にも選出されていた。大国さん自身も「オリンピックに行ける、そういう思いもありました」と振り返ったが、大学卒業後の実業団で陸上人生が暗転。表舞台から姿を消し、28歳で引退した。
大国さんによると、スランプに陥ったのは実業団2年目。ベスト体重52キロをキープすることに苦しみ、故意に吐いてしまったという。この時の感情について「体重計に乗ったら落ちていた。これはすごい、と」と大国さん。だが、これがどん底への始まり。食べては吐くを繰り返し、「食欲を抑えきれなくなり、暴食。思うようにいかないストレスを食べ物で解消していた。止められなかった」という。
「駄目って分かってても止められない。涙を流しながら食べていた」。摂食障害に陥ったことを周囲には恥ずかしさで言えず、いつしか「陸上が嫌い。関わりたくない」という思いに。28歳で引退を決断した。
現在は高校陸上部の顧問となり、学生の指導を行う。大国さんは「悩みを監督や仲間に打ち明けることができなかった。何でも言えるような、気づいていけるような指導者になりたい」と、笑顔で話していた。