大坂なおみ、重圧に打ち勝ち大逆転発進 感情あらわも世界1位の意地見せた
「テニス・全仏オープン」(28日、パリ)
女子シングルス1回戦で四大大会3連勝を目指す第1シードの大坂なおみ(21)=日清食品=が世界ランキング90位のアンナ・シュミエドロバ(スロバキア)に0-6、7-6、6-1で逆転勝ちした。2回戦で元世界1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と対戦する。
緊張、重圧、期待…。世界ランキング1位になって初めて迎えた大舞台の1回戦で、大坂が自分との戦いに打ち勝った。「これまでで一番硬かった。私は論理的な人間じゃないけど、論理的な理由を挙げれば自分のテニスをしようと考えすぎた」。四大大会3連勝の偉業に向け、初対戦だった格下のシュミエドロバを大苦戦の末に退けた。
球足が遅い苦手のクレーコートで決め急いでショットが荒れた。0-6で落とした第1セットはポーカーフェースを崩さなかったが、第2セット終盤になると感情をあらわにした。第11ゲームで第1サーブが乱れ「信じられない、これ」と日本語で怒りを口にした。ブレークを許し、5-6と窮地に陥ったが、今度は観客席の陣営に向かって親指を立て「大丈夫」とのメッセージを送った。
真意について大坂は「いいプレーが出始めていたし、苦しいときでも楽しんで戦うことができればと思った」。勝ちを意識した相手のプレーが縮こまったところで自分を信じて返球を続けたことで流れを取り戻し、逆転勝ちにつなげた。「誰だって1回戦で負けたくないし、自分は特にそう」。強さももろさも同居する日本のエースが土壇場で意地を見せた。