「大相撲秋場所」（９月８日初日、両国国技館）

　大相撲の幕内豊山（２５）＝時津風＝が２６日、都内の部屋で真梨絵夫人（３１）＝旧姓一村＝との結婚を発表した。夫人は三重県紀宝町出身で名古屋市内で会社員として勤務。会見先場所後、７月２６日に名古屋市内で婚姻届けを提出した。

　６歳上の姉さん女房が勝利の女神となって、この日、秋場所番付発表で豊山は３場所ぶりの幕内復帰。Ｗの祝福となった。

　和服姿で石原さとみ似の美人妻。２人並んだ会見で豊山は大きな体を小さくし、終始デレデレだった。入門間もない１６年の名古屋場所、食事会で出会い豊山が一目ぼれした。

　連絡先をゲットすると「そのまま寄り切りました」と猛アタック開始。「めちゃくちゃ早かった。車道（電車道）でしたね。相撲でもなかなかない。相撲より前に出た。理想以上でしたね。相撲ではよくでれっとしていると言われるのに一番早かった。あんまり言いたくない。相撲もそうしろと言われるから」。１カ月もたたずに、交際にこぎつけた。

　夫人は相撲はテレビでも見たことがなく、出会った時、豊山（当時は小柳）のことももちろん知らなかった。入門間もなく、ざんばら髪。大きな力士の愛の寄りに「積極的な方。すごく一直線。これはお受けした方がいい」と思い、「お付き合いした時は何も考えてなかった」という。豊山は「半ば強引でしたね」と、気持ちを前面に押し切った。

　交際３年、プロポーズは今年の２月中旬、夫人が好きなＴＶドラマ「花より男子（だんご）」のロケ地で“聖地”恵比寿ガーデンプレイス。「粉雪が舞い最高のシチュエーションだった」と食事後に意を決した。「結婚しよう」と伝えると「よろしくお願いします」と快諾された。

　贈った「ハリーウィンストン」の２カラットのダイヤモンドの婚約指輪は２人で見に行った。銀座の同店に「軽い気持ち」で入った。勧められるままに指輪を付けて「ふーん、そ、それでいいの？」と余裕を見せていたが、値段を見て「めちゃくちゃ心臓はばくばくだった」と、震えていた。「それも頑張るひとつの起爆剤になれば」と、愛の婚約指輪の分も土俵で活躍して稼ぐだけだ。

　ちなみに同社の２カラットのダイヤモンドはデザインなどで違いはあるものの、小栗旬が結婚した山田優に贈った婚約指輪が推定１０００万円。ＤＡＩＧＯが結婚した北川景子に贈ったのも２カラットで推定１０００万円とされている。

　同ドラマは松本潤演じる道明寺司が主人公で小栗旬演じる花沢類らイケメンがずらり。豊山は同ドラマで例えるなら？と問われた夫人は「私にとっての道明寺」と、のろけた。

　挙式披露宴は来年２月に予定する。夫人は名古屋市内のファッション関連事業を手がけるバリバリのキャリアウーマン。簡単に寿退社できる役職、立場ではなく、ギリギリまで名古屋で仕事し、挙式後は同社の東京本社に転勤し、仕事を続ける予定だ。

　「まだまだ働いてもらわないと」と豊山。角界の夫婦では珍しい共働き。女性が活躍する社会を反映する、結婚生活となる。

　「よく落ち込んでいる」と夫人が言う。豊山はハッパをかけられ励まされ、相撲を続けてこられた。「所帯を持って力が出るタイプ。自分の力を出したい」と愛妻パワーでさらなる出世を目指す。

　同期のライバル、朝乃山（２５）＝高砂＝に優勝で先を越されたが、愛妻を得てここから反撃。「前だけ見て目標は大きく。僕にも（優勝の）チャンスはあると思う」と、力を込めた。