「悪夢ばかり」の本田真凜に差し込んだ光 気持ち吹っ切れ、戻った“華”

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(19日、代々木第一体育館)

 女子ショートプログラム(SP)が行われ、16年世界ジュニア女王で、近年は不振が続いていた本田真凜(18)=JAL=は65・92点で6位だったが、久々の会心の演技に涙がこみ上げた。苦しんできた氷上のヒロインにようやく光が差し込んだ。

 最後まで笑顔で滑り切れたのはいつ以来だろう。花の咲くような表情でフィニッシュした本田は、赤と黒の手袋をはめた両手で目頭を抑えた。65・92点で6位。それでもやっと“本田真凜”の演技ができた。「自分らしく滑れたのが1番嬉しい」。嬉し涙が溢れ出た。

 ジュニア時代、世界を制した“華”が戻ってきた。3つのジャンプをしっかり着氷させると、SP「セブンネーションアーミー」の力強い女性ボーカルにのり、キュートに、妖艶に氷上を舞い、女優兼スケーターの妹・望結、紗来も見守る中、会場の観客を魅了した。

 全日本は鬼門だった。ジュニア時代の16年大会こそ4位だったが、シニアに転向した17年は7位、昨年は15位。昨年練習拠点を米国に移したが、環境への適応に苦しみ、成績も伸び悩んだ。

 昨年の全日本後、「ジュニアの時は思い通りの演技ができていたけど、シニアに上がってうまくいかないことが多くて」と、漏らしたこともあった。

 厄年だった今年は、10月のスケートカナダでは、タクシー乗車中に交通事故にも遭遇。幸い軽傷だったが、“泣きっ面に蜂”だった。それでもようやく光が差し込んだ。

 「普段の生活から吹っ切れたところがあって、周りの人たちからも『明るくなったね』って言われる。怖い気持ちがなくなった。自分を隠さずに、自分らしくいれるようになった」。

 近年、試合前は悪夢に悩まされていたという。「厄年も終わり。負けないようにフリーも頑張りたい。悪夢ばかりだったけど、それを振り払えたら」。フリー「ラ・ラ・ランド」の4分を笑顔で終えられた時、長かったトンネルは終わりを迎える。

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