宇良は白星発進 地元での無観客には「静かだなあ」相撲をとれる喜びかみしめ
「大相撲春場所・2日目」(9日、エディオンアリーナ大阪)
2度の右膝手術から復活ロードを歩む元幕内、西三段目30枚目の宇良(27)=木瀬=が益湊(阿武松)を寄り倒して白星発進した。
立ち合い低く入って、左を差すと、一気に出て決めた。「うれしいです」とニッコリ。無観客には「静かだなあと思います」と、振り返った。
ケガで休場が続き、地元大阪の春場所は3年ぶり出場。「大阪で相撲が取れてうれしい。静かですけどAbema(テレビ)さんも映してくれている。この状況でも見られている気持ち。(お客さんは)いないですけどこの場所は見てくれていると思う」と、うなずいた。
人気業師にはデビュー時から館内に声援が飛んだ。静まり返った中で相撲を取ることに「周りの環境に左右されることをできるだけ作らないように取り組んでいるので、その点は大丈夫だけど、お客さんはいた方がいい」と、語った。
宇良は奇手“居反り”の使い手として関学大から角界入り。多彩な技とスピードを武器にスピード出世した。17年名古屋場所では東前頭4枚目まで上がり元横綱日馬富士から初の金星を挙げて男泣きした。
しかし、17年秋場所、土俵際、こらえた際、右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。手術を行い、6場所連続で休場。18年秋場所、三段目で復帰した。昨年初場所、幕下まで戻ったが古傷の右膝前十字靱帯を再び断裂。同2月下旬に前回同様、腱の再建手術を行った。
長いリハビリを乗り越え、昨年九州場所で5場所ぶりに序二段で復帰。先場所は7戦全勝で序二段優勝を果たした。