エースに頼らず青学独走、他校に漂う白旗ムード 駒大・大八木監督「ちょっと厳しい」
「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場)
昨年往路12位と致命的な出遅れで連覇を逃した青学大が、この1年で積み上げた選手層の厚さを見せつけ、独走で2年ぶり5度目の往路優勝を果たした。
昨年は直前でエースの神林勇太が怪我のため欠場。「昨年は結果の通り、エース神林が怪我で出られず。穴を埋められなかったチームは脆くも崩れた」という反省を踏まえて、「今年は(エントリー)16人は能力関係なく走れる、いわゆる層の厚さに取り組んで来た。誰かに頼るのではなく、1人1人がしっかり走れるチームに」と、総合力で戦えるチームを作った。
他校なら十分に主力を張れる1万メートル28分台以上の選手は実に24人。往路では3区を走った太田、5区の若林と1年生2人を起用し、それぞれ太田が区間2位、若林が区間3位と力を発揮した。5人全員が区間一ケタで走ったのは青学だけ。圧倒的な総合力で往路を制した。
主力で補欠にまわしている岸本大紀(3年)、佐藤一世(2年)もおり、復路でも青学優位は動かず、他校からは白旗ムードが漂う。逆転連覇を狙う3位駒大は3分28秒差。大八木監督は「3分28秒はちょっと厳しい部分がある」と認めた。昨年は往路で首位創価大と2分21秒差の3位から、最終10区で奇跡の逆転劇をみせたが、「ちょっと違う。層が厚い青学ですから。3分28秒がどれだけ重くのしかかるか。9区の時には1分差ぐらいでないと」と、表情は険しかった。
3分43秒差の4位から浮上を狙う国学院大の前田監督も「青学さんは駒を残しているので、追いかけるのは厳しい。2番争いになってしまうので」と、厳しい見立てだった。
往路で大健闘の2位となった帝京大の中野監督は「ベストパフォーマンスでゴールまでタスキを運びたい。そうすれば、先に何かがみえるかもしれない」と、願うように話した。