阿部詩 準決勝で棄権 昨秋両肩手術していた 世界選手権へ「100%の状態で」
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(2日、福岡国際センター)
10月の世界選手権(タシケント)代表選考会を兼ねて、女子7階級が行われた。52キロ級は、東京五輪金メダルの阿部詩(21)=日体大=が準決勝で棄権し、昨秋に両肩の関節唇の修復手術を受けていたことを明かした。78キロ級金メダルの浜田尚里(自衛隊)、48キロ級銀メダルの渡名喜風南(パーク24)はそれぞれ優勝。57キロ級は世界ジュニア3連覇の舟久保遥香(三井住友海上)が初制覇し、五輪銅メダルの芳田司(コマツ)は2位だった。
阿部詩が昨秋、五輪連覇を見据えて両肩を手術していたことを明かした。19年から関節唇を損傷し、放っておけば脱臼しやすい、いわゆるルーズショルダーだったという。「左は組むと(肩が)抜ける状態だった。五輪前も手術しないといけない状況だったが、時間を取れなかった」。痛みを押して昨夏の東京五輪を制した後、9月に左肩、10月に右肩を相次いで手術した。
約半年のリハビリを経て、練習を本格的に再開したのは3月に入ってから。今大会欠場も考えたが、世界切符を確実に取るために強行出場を決めた。「パリ五輪への第一歩と思っていたので出場すると決めてやってきた」。コンディション不良は明らかで、初戦は川田歩実(東海大)に苦戦。指導2のピンチだったが、延長でワンチャンスを逃さず、小外掛けで優勢勝ちした。
途中棄権となったが、世界選手権代表には選ばれた。「(今後)体を整えて100%の状態で試合できるようにしたい。まだまだ試合の感覚を戻さないと」。残り6カ月で、最強の阿部詩をもう一度つくり直す。