“戦う医学部生”朝比奈沙羅 初戦敗退で涙「勉強で弱くなったと言われたくない」パリ五輪最後まで挑戦「最終章」
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(2日、福岡国際センター)
女子78キロ超級1回戦が行われ、18・21年世界女王の朝比奈沙羅(26)=ビッグツリー=は、高橋瑠璃(SBC湘南美容クリニック)に延長戦の末、9分18秒反則負けを喫した。24年パリ五輪代表争いへの望みをつなぐためにも優勝を期したが、初戦敗退に終わり涙。「パリ五輪へは土俵際いっぱいだと思うが、やるしかない」と最後まで挑戦する意向を示した。
朝比奈は176センチ、140キロの体格を生かして相手をなぎ倒しにいったが、対策されており投げることはできなかった。逆に終盤は手数で上回られ、指導3つを食らって反則負け。試合後は肩で息をしながら「指導(狙い)よりも前に出て投げることを意識したが、途中でスタミナが切れてしまった」と無念さをにじませた。
20年4月からは栃木の獨協医大に通いながら、柔道でもパリ五輪を目指す“戦う医学部生”。けが明けで臨んだ昨年10月の講道館杯では初戦で両者反則負けに終わり、五輪代表争いは厳しい状況となっていた。
春休みは首都圏の大学や高校に出稽古に行って準備していたというものの「しっかり練習は積んでいたが、もつれた試合で前に向かっていくような泥くさい練習が足りなかった」と反省しきり。
週明けからは新学期がスタートする。「(医学部で)勉強してるから柔道が弱くなったと言われたくない。勉強の片手間に柔道をやっていると思われたくない」と元世界女王のプライドをにじませ、「そのためにも結果を出さないといけない。試行錯誤しながらやっていく。(ここから柔道人生の)最終章であり、第1章」と歯を食いしばった。