小林香菜が涙の激走で日本人最高の2位!「実感がなくて」大学のサークル経て実業団に 残り1キロで逆転 エデサが大会連覇 大阪国際女子マラソン
「大阪国際女子マラソン」(26日、ヤンマーフィールド長居発着)
日本人選手では大学のサークルを経て実業団入りした小林香菜が残り1キロで2位に浮上し、自己ベストを大きく更新する2時間21分19秒でゴールした。昨年のパリ五輪6位入賞を果たした鈴木優花も自己ベストを大きく更新し、3位。ウォルケネシュ・エデサが30キロ手前から独走態勢に入り、大会連覇を果たした。
レースは20キロを付近で松田瑞生が先頭集団から脱落。粘りの走りを見せていた小林香菜が急激にペースが上がった24キロ付近で遅れる形となった。
伊沢菜々花、鈴木優花、昨年の大会を新記録で優勝したエデサの3人で先頭集団を形成する展開に。25キロの給水地点で伊沢が遅れ出した。自己記録を大きく上回るハイペースに鈴木もついていくことができず。28キロ手前でエデサの単独走となった。
それでも粘りの走りを見せ、30キロを越えても先頭のエデサから100メートル圏内につけた。自分のペースを崩さず淡々とリズムを刻んだ。35キロの給水から再びペースアップした鈴木。先頭との差を徐々に縮めたが、エデサのラストスパートについていくことはできなかった。すると残り1キロを切ったところで小林が鈴木をとらえて2位に浮上。一気にかわした。競技場に戻ってくると大歓声に包まれ、独特のピッチ走法で一気に主役の座へ登り詰めた。
ゴールすると小林の表情から涙があふれた。関係者と抱き合い、感情を爆発させた。インタビューでは笑みを浮かべ「実感がなくてわけがわからないんですよ」と率直な心境を吐露した。
「今回は23分30秒で世界陸上の参加標準記録を超えようと思っていたので。驚きです」と明かし、「沿道から行けるよって教えてもらって勇気が出ました。沿道の温かい声援で頑張れています」と語った。
昨年の防府読売マラソンで2時間24分59秒が自己ベストだったが、一気に3分超更新する会心のレース。世界陸上の傘下標準記録を突破し「走ることが楽しいですし、応援がすごくて走りきることができました。ありがとうございました」と感謝し、「日の丸を背負って世界を走りたい」と力を込めた。
小林香菜(こばやし・かな)2001年4月4日生まれ、23歳。群馬県出身。早大ではランニングサークル所属。昨年の大阪国際女子マラソン12位。同年4月から大塚製薬所属。同12月、防府読売マラソンで自己記録を5分近く短縮する2時間24分59秒で優勝。