大相撲トーナメント フジテレビ色を完全排除!大相撲トーナメントに観客9630人
「日本大相撲トーナメント」(9日、両国国技館)
フジテレビが放送を取りやめた興行だったが、9630人の満員札止めの盛況だった。十両トーナメントは竜電、幕内トーナメントは高安が優勝した。
元タレントの中居正広氏と女性とのトラブルに端を発する、フジテレビを巡る一連の問題。協賛企業の辞退が相次ぎ、大会公式サイトから企業名の掲出がゼロになり、1月30日に放送取りやめが発表された。
放送中止にともない、花道でのリポート、優勝者インタビューが行われなかった。恒例のOB戦が行われず、綱締めに変更された。スポンサーによる懸賞幕、スポンサー名が記入された呼出しの着物が無地に変更された。過去に牛一頭が贈られるなどした「フジテレビ賞」もなくなった。
また、パンフレットにも大きな変更があった。昨年は日本大相撲トーナメント実行委員会会長フジサンケイグループ代表として日枝久氏の挨拶文が冒頭に記載されていたが、今年は八角理事長(元横綱北勝海)のみとなった。主催ながらフジテレビという文字、グループのシンボルマークの記載もなかった。広告ページも一切なかった。
国技館内でも「フジテレビ」とはアナウンスされなかった。関係者によると「騒動を受けフジテレビ側が自粛した」という。フジテレビ色が完全に隠された異例のトーナメントとなった。
幕内トーナメント優勝賞金250万円など、賞金額は例年通りだった。賞金はスポンサーの提供ではなく、フジテレビ事業部が捻出したためだという。
同トーナメントは1977年2月に始まり、当初は2日制。第1回は北の湖が三重ノ海を寄り切り、初代優勝者となった。以降は毎年恒例の大会として定着。千代の富士、貴乃花、曙、武蔵丸、朝青龍、白鵬ら大相撲の歴史を彩った名力士が優勝者に名を連ねている。