高安またも…本割で気迫星も千秋楽で9度目V逸「圧力に負けてしまった」次場所以降の奮起誓った
「大相撲春場所・千秋楽」(23日、エディオンアリーナ大阪)
平幕高安は本割で関脇阿炎を上手出し投げで下したが、12勝3敗で並んだ大の里との優勝決定戦に敗れた。優勝の可能性を残す千秋楽で9度目のV逸を喫し、悲願の初優勝はまたお預け。3度目の技能賞は受賞したものの完敗を認め、次場所以降の奮起を誓った。
またしても高安は賜杯を抱くことはできなかった。優勝の可能性を残した千秋楽で9度目のV逸。ただ、完全燃焼だったのだろう。敗れても涙はなく、普段とあまり変わらない。視線を落として今場所を語る姿には悔しさがにじんでいたが、一方で、その言葉には清清しさも感じられた。
「悔いはないと言えばうそになりますけど、でも、やり切りました」
壁を一つ乗り越えた。負けられない本割では、立ち合いから変化を見せる阿炎に気迫の勝利。22年春、同年九州ではトップで迎えた千秋楽で2度も苦杯をなめさせられたが、因縁の相手に3度目は許さなかった。
死力を尽くした決定戦は過去2勝0敗と退けてきた大の里の雪辱を許した。「決定戦になることは分かっていた」と、本割後も落ち着き払って気合十分に臨んだ。左を差して高安の形となったが、若き大関の圧倒的な力に屈し「圧力負けしてしまった」と振り返った。
9度目の準優勝に、計13度目の三賞受賞。今場所は横綱、大関に本割で勝ちながら賜杯はお預けと、高安らしい春場所になった。それでも35歳の闘志は衰えていない。「また来場所頑張りますよ。休んで体を作りますんで」。自身に言い聞かせるように奮起を誓った。