真央“最後の五輪”へ勝負のシーズン
フィギュアスケートのソチ冬季五輪シーズンが、18日(日本時間19日)からのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、スケートアメリカ(米デトロイト)で本格的に開幕する。女子は浅田真央(23)=中京大、男子は18歳の羽生結弦(18)=ANA=を中心に、男女各3枠の五輪代表選考レースが繰り広げられそうだ。
今季限りでの引退を表明した浅田は初戦のジャパン・オープンでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳び、非公認ながらフリーの自己ベストを上回る仕上がりの早さをアピール。GPファイナル(12月5~7日・マリンメッセ福岡)で日本人最上位メダリストになれば代表入りに前進するため「一つ一つの試合がソチへの一歩」と例年以上の意気込みで臨む。
28歳のベテラン鈴木明子(邦和スポーツランド)、初代表を目指す村上佳菜子(中京大)や昨季の全日本選手権3位と台頭した15歳の宮原知子(大阪・関大高)も争いに絡みそう。出産を経て復帰した安藤美姫(新横浜プリンスク)はGPに出場できないため、代表最終選考会の全日本選手権(12月21~23日・さいたまスーパーアリーナ)での一発勝負を狙う。
世界選手権女王のキム・ヨナ(韓国)が右足故障でGPを欠場し、欧州選手権優勝のカロリナ・コストナー(イタリア)らがライバル。
男子は今季初戦のフィンランディア杯で2種類の4回転に成功した羽生が一歩リードした印象だ。「全日本で勝てる力をつければ、必然的に五輪でいい成績が出る。まずはGP、全日本でいい演技をしたい」と集中する。
表現力に定評がある昨季のGPファイナル覇者の高橋大輔(関大大学院)と、滑らかなスケーティングが持ち味の小塚崇彦(トヨタ自動車)は4回転が課題となる。織田信成(関大大学院)は4回転の成功率を上げており、台風の目になる予感がある。昨季のGPで初優勝した無良崇人(岡山国際スケートリンク)と町田樹(関大)も加わり、混戦の様相を呈する。
外国勢では世界選手権3連覇のパトリック・チャン(カナダ)やフリーで2種類の4回転を計3度入れる欧州王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)が強敵になる。