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喫煙騒動から強制送還、無期限謹慎…吉井氏も驚くダルの成長「プロ意識が全然違う」

八回、本多を空振り三振に仕留め通算1000奪三振を達成したダルビッシュ(撮影・会津智海)
 【2011年4月27日付デイリースポーツ記事より】
 「日本ハム3-2ソフトバンク」(26日、札幌ド)
 節目を迎えても、淡々としていた。八回無死満塁の大ピンチ。本多を2ストライクと追い込み、最後はこん身の136キロスライダーが相手の膝元へ鋭く曲がり落ちた。ダルビッシュにとってプロ通算1000個目の三振。欲しい場面で奪った、最高のアウトだった。
 序盤はフォームがしっくりせず、四回、小久保に先制適時打を許すと、五回からはよりためをつくるフォームに変更。オープン戦中、肘に負担がかかったために封印していたものだったが「変えてからすごく良かった」という。八回2死二、三塁、カブレラを1001個目の三振に仕留めた直球は、この日の最速152キロを記録した。
 8回6安打10奪三振。今季2勝目で節目を飾った。1058回2/3での達成は現ヤンキース・井川(当時阪神)に次いで史上7位の速さだ。三振については「相手に与えるイメージは嫌かもしれないけど、普通のアウト」と冷静に分析する。だが、この日奪った要所での三振は“ただのアウト”ではなかった。
 記録については「僕の中では通過点。でもプロに入って最初のキャンプを考えると、ここまで来るとは思わなかった」と振り返った。1年目の沖縄キャンプでは、右ひざを痛めていたことに加え、喫煙が発覚。鎌ケ谷の寮へ強制送還され、無期限謹慎を命じられた。
 だが、心を入れ替え成長した。今春のキャンプでは、1クールに必ず1回全体練習前にウエートトレーニングを行う姿があった。吉井投手コーチは「ワシが来た時(08年)に比べると、プロ意識が全然違う」という。何種類ものサプリメントを、飲むタイミングまで注意し摂取。就寝時間なども含め、生活のすべてを野球につなげ今がある。
 心も体も充実した7年目、24歳。進化はしばらく止まりそうもない。

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