“優作時代”幕開け!年またぎ2連勝

 「東建ホームメイトカップ・最終日」(20日、東建多度CC=パー71)

 トップと1打差の2位から出た宮里優作(33)=フリー=が1番からの5連続を含む8バーディー、2ボギーの65をマークし、通算14アンダーで逆転優勝した。今季国内開幕戦。涙の初優勝を果たした昨年12月の日本シリーズJTカップから年をまたいで国内2試合連続のツアー2勝目。“優作時代”が本格的に幕を開けた。2打差2位は岩田寛。首位スタートの丸山大輔は74と振るわず、6アンダーの14位に終わった。

 強い宮里優がそこにいた。最終18番。第1打を右のバンカーに入れたが、8Iの第2打をしっかりとグリーンに乗せ、カップまで11メートルを2パットのパー。静かに、当たり前のようにパーをセーブする姿が、逆に成長を際立たせた。

 「今日は自分のゴルフをやっただけなので、こんなにあっさりと勝って良かったのかというのが実感です」

 本人はまだ半信半疑かもしれない。だが、昨年の初優勝で流れが変わった。それまで最終日に優勝を狙える位置にいれば、言いようのない重圧を受けてつぶれた。それが今はない。

 「去年の優勝で不安材料がひとつ消え、ゴルフがすごく楽になった」

 この日はショットが切れた。1番こそ9メートルあったが、2番から5番まですべて1ピン以内につけて5連続バーディー。後半も3つのバーディーを奪い、混戦に決着をつけた。

 初優勝から年をまたいでの国内2連勝。初勝利より2勝目の方が難しいという“ジンクス”も入り込む間がなかった。「勝てない10年間がこの2勝につながっていると思う」。アマタイトルを総なめにしてプロ転向した当時「全盛期のタイガーに勝ちたい」と言った青年が33歳になって快挙を謙虚に受けとめた。

 開幕戦で2600万円をつかみ、初の賞金王へ好発進。全米オープン最終予選(5月26日、奈良国際GC)に挑戦する計画で、世界での活躍にも期待が膨らむ。「最後は手がしびれていた。ということは、まだ伸びしろがあるのかなと思う」。目覚めた大器は早くも前を見つめた。

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