挙式1カ月前の事件…羽生七冠婚約者・畠田理恵さん暴漢に襲われる
将棋界初の永世七冠を成し遂げ、2018年2月に国民栄誉賞を受賞した羽生善治二冠。1996年にはNHKの朝ドラ「京、ふたり」のヒロインを務めた元女優・畠田理恵さんと結婚し、大きな話題となった。挙式1カ月前には畠田さんが暴漢に襲われ、鼻骨骨折する事件もあった。
【1996年2月20日付本紙より】
将棋の羽生善治七冠(25)のフィアンセで、元女優の畠田理恵さん(25)が19日午後0時半ごろ、JR東京駅構内で、道を尋ねてきた男に突然けられて転倒し、東京・月気の聖路加病院に入院。仕事を終えた羽生七冠も駆け付けた。病院側が「軽い症状。大変落ち着いてらっしゃる」(広報部長)としているにもかかわらずの入院に、現場では重傷説や入院説など、さまざまな憶測も飛んだ。
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昼休みの東京駅八重洲口で騒ぎは起こった。警視庁丸の内署によると、改札口近くを歩いていた畠田さんに男が近づき、道を尋ねた。畠田さんが「分かりません」と答えると、男はいきなり畠田さんの腰の辺りをけりとばし、畠田さんは弾みで転倒。男はその場で警察官に取り押さえられた。畠田さんは大阪に住む親類を見送るために、母親と一緒に東京駅に来ていた。
この男は同駅付近で生活しているホームレスとみられる。警視庁は男を暴行容疑で事情聴取したが、意味不明のことを言っているため入院させた。四十代とみられる。畠田さん側は被害届を出さない意向のため、警視庁は立件しない方針。
畠田さんが入院したのは聖路加病院5階の外科病棟。対局を終えて駆け付けた羽生七冠が、畠田さんの母親とともに見守り、夕方、9階の個室に移った。
午後6時15分過ぎ、同病院の広報部長が会見。畠田さんは「軽い症状」で、「入院はそんなに長くない。(3月28日の結婚式には)もちろん影響はない。本人は大変、落ち着いてらっしゃる。(全治1週間くらいか?)そんなことはない。診断は出ていない。歩くことはできる」と説明。具体的な症状については、畠田さん側の意向として「コメントを差し控えたい」と繰り返した。
報道陣が同広報部を通じて畠田さんと家族に会見を申し入れてから、広報部長の会見までに2時間以上を要した。病院側は当初、畠田さんを交えての会見を予定していたが、畠田さん側の意向でキャンセルとなった。
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羽生七冠は同日夜、日本将棋連盟を通じ、「突然のことで大変心配しましたが、症状がさほど重くないと聞き、今は一安心しています。関係者の方には大変ご心配をおかけしました」とのコメントを発表した。