週刊朝日、橋下市長の「出自連載」中止
「週刊朝日」が日本維新の会代表の橋下徹大阪市長の出自を題材にした連載記事を掲載し、橋下氏が朝日新聞の取材を拒否していた問題で、出版元の朝日新聞出版は19日夜、2回目からの連載を中止すると発表した。週刊誌連載の打ち切りという異例の事態を招いた今回の騒動は、報道の在り方をめぐって波紋を広げそうだ。
河畠大四編集長は「同和地区などに関する不適切な記述が複数あり、このまま連載の継続はできないとの最終判断に至った」との談話を発表。朝日新聞出版の親会社である朝日新聞社も同日夜、「橋下大阪市長をはじめ、多くの方々にご迷惑をおかけしたことを深刻に受け止めています」との謝罪コメントを出した。
週刊朝日は、今週発売の10月26日号からノンフィクション作家の佐野眞一氏と取材班による緊急連載「ハシシタ 奴の本性」をスタート。「橋下徹という人間そのものを解明するため、そのルーツを詳しく調べ上げないといけない」などとして橋下氏の父親の出身地を特定して報じた。
朝日新聞出版の管理部は、連載を執筆した佐野氏とのやりとりや、連載中止の決定にいたった詳しい経緯は「明らかにできない」としている。
橋下氏は、この連載について「内容が一線を越えている。僕の子供、孫にも影響する」として朝日新聞の取材を拒否。河畠編集長が18日、次号で「おわび」を掲載するとの謝罪コメントを出したが、橋下氏は19日昼、取材拒否を続けるかどうかについて「次号の内容を見てから判断する」と話していた。