今井絵理子氏 選挙戦で自慢の歌声封印
第24回参議院選挙が22日、公示され、7月10日の投開票に向け、18日間の選挙戦に突入。改選121議席(選挙区73、比例代表48)に対し、計389人が立候補を届け出た。自民党比例代表候補でSPEEDのメンバー、今井絵理子氏(32)は、東京・有楽町で出陣式を行った。歌手らしく歌での演説を期待する声もあったが、公職選挙法に抵触する恐れがあるとして封印。「初ライブと同じような気持ち」と緊張しながらも、「障がい者は個性。その個性を認めあえる社会をつくりたい」と声を張り上げた。
正午の東京・銀座。人気歌手候補の“初ステージ”に女性ファンや若年層も足を止め、200人以上の人だかりができた。
姿を見せた今井氏は、肩からたすきをかけたオレンジのTシャツ、黒のパンツ、紫のスニーカーという“衣装”で選挙カーの屋根に上がると「今井絵理子でーす。照れくさいなぁ」とニッコリ。「12歳でデビューして初ライブをやった。その時の気分です」と心境を吐露した。
“デビュー演説”では、2004年に感音性難聴の長男を出産してからの苦労や、養護施設などのボランティアに取り組んできた思いなどを語り「政治は希望。すべての人が笑顔になれる社会を目指したい」と訴えた。一方で、障がい者支援の具体的な政策やアベノミクスに関する評価などは一切なし。演説というより、ライブMCのようだった。
自慢の歌声は封印した。中央選挙管理会に確認したという支援者は「プロ歌手による1フレーズ以上の歌唱は、選挙民への利益供与として選挙違反になる可能性があるそうなので。うぐいす嬢はいくら歌ってもいいそうですが」と残念そうに話した。
所属芸能事務所によれば、選挙期間中にSPEEDのメンバーが応援に駆けつける予定はないという。代わりに高村正彦副総裁(74)や自身を政治の道へ導いた山東昭子参院議員(74)など、党の重鎮たちが応援に駆けつける“VIP待遇”を受けた今井候補。第一声後はJR蒲田駅前(東京)に移動し、商店街を1時間練り歩き、投票を呼びかけるなど、精力的に活動して初日を終えた。