L⇔Rの黒沢健一さん死去 10月に脳腫瘍闘病公表、早過ぎる48歳

 「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」の大ヒットで知られるロックバンド「L⇔R(エル・アール)」のメンバーでシンガー・ソングライターの黒沢健一さんが5日午前3時52分、脳腫瘍のため死去した。48歳。茨城県出身。7日、公式サイトで発表された。黒沢さんは10月3日に脳腫瘍で闘病していることを公表。治療のため入院していた。通夜、葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を開く予定だという。

 ビーチ・ボーイズやビートルズなど50~60年代ポップスの豊かな教養をベースにミリオンセラー「KNOCKIN’-」や森高千里の大ヒット曲「気分爽快」などを世に送った名メロディー・メーカーにして、卓越した歌手だった黒沢さんが早すぎる死を迎えた。

 実弟でL⇔Rのメンバー、シンガー・ソングライターの黒沢秀樹(46)は「デビューから25年という節目の年にこのような報告をしなくてはならないことはとても悲しく残念」と悔しがった。

 黒沢さんは昨年10月、コンサートのリハーサル中にめまいを覚え、検査で脳腫瘍が発覚。入退院を繰り返し、一進一退が続いていた。10月3日に「今月のリンゴ・スターの来日を楽しみに治療を続けています」とブログにつづったが、同11日に「割と調子よく過ごせています」などと投稿後、同19日にライブDVDについて「編集が出来てくるの楽しみだ~」と記したのが最後になった。

 リンゴの来日公演に行く望みもかなわず、11月29日にスタッフが「さらなる治療に専念しているため本人がメッセージを書く余裕がない」「医療チームを中心に、家族、事務所スタッフ、友人と一丸となって頑張っています」と報告していた。

 秀樹によれば「家族の見守る中、安らかに眠るような最期」を迎えたという。L⇔Rのベーシストで、L⇔R活動休止後も黒沢さんとユニット「curve509」を結成した木下裕晴(49)は「昨日(6日)亡くなった本人に会いましたが、寝ているくらいにしか思えず、未だに全く実感が湧きません」と様子を伝えた。

 秀樹は「黒沢健一の音楽はこれからもずっと、聴く人の心に響き続けてくれると信じています」とコメント。肉体が失われても、名曲群の輝きが失われることはない。

 以下、元メンバーなどからの追悼コメント

 嶺川貴子(元L⇔R。シンガー・ソングライター)「天才的天然少年。話を膨らませるのがうまかったし、スプーン曲げが上手だった。3年前久しぶりの再会をした時、ぜんぜん変わってなくて、笑顔で優しかった」

 萩原健太氏(音楽評論家。黒沢さんとユニット「健’z」を結成)「歌も抜群にうまくて。曲作りの才能もこの上なくて。冗談好きで。楽しくて。頑固で。でも、シャイで。寂しがり屋で。傷つきやすくて。だから、人付き合いがちょっと下手で…。若すぎる。せつなすぎる」

 石田ショーキチ(黒沢さんとバンド「MOTORWORKS」を結成)「健一、ゆっくり休んでくれ。またいつか共にプレイしよう。約束だ。」(萩原氏、石田はツイッターから)

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