大野拓朗、大阪“移住”で大御所芸人の魂学んだ!朝ドラ「わろてんか」で漫才師好演
放送中のNHK連続テレビ小説「わろてんか」で、“伝説の漫才師”横山エンタツさんをモチーフにした芸人・キース役を好演しているのが、人気急上昇中の俳優・大野拓朗(29)。生まれも育ちも関東だが、朝ドラのために大阪に住民票を移し、現在も大阪で生活している。12月23日からは、2000年に放送されて大ヒットしたドラマの舞台版「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」にも主演。型にはまらない自在の演技力を誇る大野が秘める信念には、「笑い」があった。
“しゃべくり漫才”の基礎を作った、伝説の芸人役を演じている。役が決まった時の思いを「ものすごくうれしかったです。僕自身、僕を見て下さった方が笑顔になるとか、日々の活力になることを役者としての目標にしているので」と興奮気味に語った。
役作りのために、撮影開始1カ月前の今年4月、大阪に転居した。「住民票も移して、大阪人になろうと。芸人さんが多く住んでる地域、昔ながらの芸人さんの区域を聞いて、そこに住んでます」と明かす。転居後は“笑いの殿堂”なんばグランド花月(NGK)に足繁く通い、舞台袖で出演する漫才師たちをつぶさに見続けた。「漫才師さんたちが舞台袖で何をしているのか、出て行く時の雰囲気、帰ってくる時の雰囲気はどうなのか…そういうのを知りたかったんです」。
芸人たちからも認識され、かわいがられるようになった。「先週はぼんちおさむ師匠のお宅で一緒に飲みました。(浅香)あき恵姉さんとは、よくランチをご一緒させていただきます。今度は(西川)きよし師匠とご飯に行く約束もしています」と、早くも名だたる大御所たちの懐に入り込んだ。彼らに学んだ最も大きなものは、「魂ですね。芸人さんのサービス精神といいますか、人を笑わせる、楽しませること」だという。
エンタツさんに関しても勉強した。「(オール)巨人師匠に聞いたら、『気難しくて、神経質で、後輩をかわいがらない人。あまり俺もわからへんねん』っておっしゃってた」と苦笑いしつつ、その職人的な気質は「自分にもあると思いたいですけど、どうなんでしょう…?」と語った。
俳優を志したのは、大学2年時だった。在学していた立教大学の「ミスターコンテスト」でグランプリを獲得。その流れでホリプロの50周年記念オーディションに挑み、そこでもグランプリに輝いた。
「テレビの向こうはテレビでしかないと思っていたのですが、合宿があって、演技レッスンで初めて芝居の勉強をしたら、すごい楽しくて。現場を積み重ねていけば行くほど、俳優業への思いが強くなりました」。
俳優を目指す前の夢は「プロスポーツ選手のメディカルトレーナー」だった。間接的にでも、多くの人に夢や希望を届けたかった。だが、今は直接人々にメッセージを届けることができる立場にいる。「活力を与える存在になれたんだと思って、この仕事につけて良かったと思う部分があります」とやりがいを口にした。
目指す道は「芸人さんの役をやらせていただいて、自分の中で『面白いやつ』っていう要素がもっとできてきたら、それを生かしながら、3枚目とか2・5枚目の役を突き詰めていきたい」とキッパリ。追求するのは「格好良さ」よりも「面白さ」。「面白い人は、やっぱり魅力的なんですよ。俳優で魅力的な方は、話してて面白い方多いですよ。高橋一生さんとか、すごいですもん。話面白いし、博識だし…」。
イケメン俳優と呼ばれることも多いが、「自分は決して2枚目の性格じゃない」と話す。「チュートリアルの徳井(義実)さんみたいになりたい」とし、「人の笑顔が好きで、笑わせたいというのがあるので、2・5枚目、3枚目の役やらせたら日本一だよね、って言われるようになりたい」と宣言した。
座右の銘は「いつでも笑顔でいられますように」。根底にあるのは「人を笑顔にしたい」という強い思いだ。「まず、自分が心から笑顔でいられるように努力し続ける。そして、僕を見て笑顔になって下さる方が増えたらいいなと思います」と瞳を輝かせた。