テレビ朝日「報道ステーション」は１９日の放送で、同局が女性社員が福田淳一財務事務次官からセクハラを受けていたと公表した件をトップニュースで報じた。

　同日未明に同局が行った篠塚浩報道局長の会見、この日朝に福田氏が改めてセクハラを否定したこと、与野党からの批判、麻生太郎財務相が任命責任を問われて無言だったことなどを伝えた。

　この報道の中で、当初、女性社員がセクハラを上司に相談したが、報道することを控えたことへの「反省」を伝えた。一方で女性記者はセクハラ被害が黙認されつづけてしまうのではないかという強い思いから「週刊新潮」に連絡し、取材を受け、会話の録音の一部を提供したという。

　この点について番組では、篠塚局長が「当社社員が取材活動で得た情報を第三者に渡したことは、報道機関として不適切な行為であり、当社として遺憾に思っております」と述べたことも伝えた。

　ただし、番組で富川悠太キャスターから意見を聞かれた、ジャーナリストの後藤謙次氏は「女性記者がテープを新潮社側に提供したことで、記者としての職業倫理が問われているが、私はそうは思わない。女性が自らセクハラから身を守るために途中から録音テープを出した、とあります。その時点でそれは取材行為じゃなくなっている。記者の倫理の範ちゅうに入らない」と指摘した。