安室奈美恵 涙の完走 10年ぶりトーク解禁、ファンに感謝 ラストツアー最終公演
9月16日に引退する歌手・安室奈美恵(40)が3日、東京ドームで、ラストツアーの最終公演を行った。
2月からの5大ドーム17公演で75万人を動員し、国内ソロアーティストとしてツアー最多記録を樹立。ライブでのトークは長らく封印していたが、ラストツアーでは胸中をしっかりと語り、この日も涙をこぼしながら3分間の“スピーチ”でファンに感謝を伝えた。歌手人生は残すところ105日、今後の活動は未定となっている。
“サヨナラ行脚”が完結した。ソロアーティストによる国内ツアー動員で、小田和正(70)の74万人を塗り替える新記録を達成。中国・深セン、香港、台北での6公演でも惜別感を共有し、国内外で80万人の心を震わせた。
ライブアーティストとして生きた歌姫の集大成。ラストと銘打ったツアーだからこそ、特別な演出を盛り込んだ。歌と踊りで魅了したいという矜恃から止めていたトークを、約10年ぶりに解禁。30曲を歌い終えると、感涙をこぼしながら言葉をつむいだ。
「デビューして25年、いろいろなことを経験させていただきました。9月16日以降、私がこうしてステージに立つことはありません。この25年間が大切な思い出になりました。皆さんに心から感謝しています。皆さんの毎日に素晴らしい音楽があふれることを願ってます。最後は笑顔で。みんな元気でね~、バイバ~イ!!」。
初ライブから数え716公演目を見届けた5万6000人に、別れを告げると、万感の投げキスで締めくくった。
2時間50分に及んだ公演は、幕開けを「Hero」で飾ると衣装8変化を織り交ぜ、「NEVER END」、「CAN YOU CELEBRATE?」といったヒットパレードをたたみ掛けた。「Say the word」などのダンスナンバーでは、衰え知らずのパフォーマンス力を見せつけた。
ツアーはラストと公言してきたが、最後の公演になるかは明らかにされていない。関係者によると、マイクを置くまでの3カ月の予定は決まっていないというが、まだまだ安室の生歌を聞きたい人は多い。県民栄誉賞を授けてくれた故郷の沖縄県からも、凱旋ファイナル唱を期待する声は上がっている。“歌手人生のアンコール”は実現するのだろうか-。