八千草薫 20歳年上の映画監督と結婚 お相手は3度目
【1957年7月22日の本紙より】
映画監督の谷口千吉(46)と女優の八千草薫(26)の結婚式が21日午後4時から、東京會舘で東和映画・川喜多長政社長、かしこ夫妻媒酌のもとに行われた。
かれんな日本女性の代表として日伊合作映画「蝶々夫人」ではるばるイタリアにおもむいて撮影を行った国際女優は、そのとき世話になったという川喜多夫妻に付き添われ、東京会館内結婚式場にのぞんだ。
清楚なウエディングドレス姿の八千草は緊張を隠しきれない様子で、終始うつむき加減でういういしい表情。3度目の結婚となる谷口監督は、満面の笑顔を浮かべ、花嫁をかばうように連れ添った。神式の婚儀を終えた2人はカメラのフラッシュを浴びながら、記者団の質問に言葉少なに答えた。
八千草は「子供は好きですからたくさんほしい」となごやかな笑顔。水木洋子、若山セツコと10年ごとに伴侶が代わってきた谷口監督は、「最初奥さんにしてあげたいことは何か」という問いに、「今度は終わりをまっとうしたい」と泰然と語り、いかにも2度の離婚の経験者らしい言い方であった。
午後6時半からの披露宴に招かれたのは池辺量、小林桂樹、鶴田浩二、越路吹雪、作家・石原慎太郎ら。新郎新婦の前途を祝福した。