木村進さん 新喜劇への情熱と後輩への思い 内場が涙「リストラ対象になっても…」
腎不全のため19日に68歳で死去した元吉本新喜劇座長で喜劇俳優の木村進(きむら・すすむ、本名同じ)さんの告別式が22日、大阪市内でしめやかに営まれ、落語家・桂文枝(75)、桂小文枝(68)、吉本新喜劇元座長の内場勝則(58)、元吉本新喜劇座長で元大阪市議の船場太郎氏(79)らが参列した。
新喜劇で木村さんの後輩にあたり、「3年くらい」座員として一緒に活動した内場は「木村さんや(間)寛平さんらは、若い者に自由にやらせてくれた。『笑いを取ったらいいねんで』という感じ。若手の気持ちを分かってくれていた」としのんだ。
一番の思い出を聞かれると涙で声を詰まらせ、1989~90年の「吉本新喜劇やめよっカナ!?キャンペーン」でリストラ対象になった時のエピソードを挙げた。「当時のうめだ花月劇場の楽屋にいた時、(脳内出血で)入院中の木村さんからピンクの公衆電話に電話がかかってきて『リストラ対象になってるの見たけど、頑張れよ』と言ってくれた。自分が倒れても、見ていてくれているんやなと思った」と優しい人柄を明かした。88年に脳内出血を患い、左半身が不自由になった木村さんだが、新喜劇への情熱と座員や後輩を気遣う気持ちは変わらなかった。
文枝は「闘病が長かったんでね。本当に気の毒で…」と早すぎる死を惜しんだ。「何をやっても本当に上手で、色んな役をやってくれた」と活躍を振り返った。
葬儀所前には大勢のファンが詰めかけ、約200人が希代の喜劇役者の旅立ちを見送った。喪主を務めた木村さんの妹・龍子さん(67)は「皆さま、わざわざ来ていただきありがとうございました」と涙ながらに何度も頭を下げて感謝を表した。
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