真矢ミキ5年ぶり本格舞台復帰 “できるオトナ”封印…感情むき出し破天荒キャラ
女優の真矢ミキ(55)が舞台「正しいオトナたち」(12月上演、東京グローブ座)に主演し、5年ぶりに本格舞台復帰することが15日、分かった。仏劇作家のヤスミナ・レザ氏が手がけた4人芝居の日本版で、けんかによって制御不可能になっていく大人たちを描いたヒューマンコメディー。これまでキャリアーウーマン役など“できる落ち着いた大人の女”を演じることが多かった真矢が、感情むき出しの“破天荒キャラ”に挑む心境を語った。
個性派路線で人気を確立した“ヅカの革命児”が5年ぶりに舞台の世界に戻ってくる。
同作は、仏劇作家のヤスミナ・レザ氏による4人芝居「Le Dieu du carnage」が原作。09年には米ブロードウェイでも上演され、演劇界最高の栄誉とされるトニー賞演劇部門最優秀作品賞を受賞した傑作だ。
舞台は2つの家庭。子供同士のけんかを発端にお互いの両親同士のけんかを描いたコメディー。真矢演じるウリエ家の妻・ヴェロニックら4人の大人たちが感情むき出しにしてぶつかり合う。
個性派キャラを演じることには自信がある。宝塚時代、男役としては低身長だったことから個性で勝負。当時珍しかった長髪にナチュラルメークを取り入れ、トーク力を磨き“革命児”として花組トップに上り詰めた。
普段はクールなイメージだが、過去に黒木瞳(58)ら宝塚OGも認めたほどのコメディーセンスを持ち合わせている。喜怒哀楽を爆発させる役どころに「今回はお芝居に入りやすいと思いますし、自分に合っている」と自負。自らにしかない個性をぶつけ、舞台を盛り上げるつもりだ。
トップとして輝かしい栄光をつかみ、いち女優として迷ったこともあった。これまで生きてきた55年の人生で「天国も地獄も経験した」という真矢だが、笑顔を見せ「今が一番女優として面白い時期です」と充実の思いを語った。
今回演じるヴェロニックは自身と同世代でありながら子供のように感情を表に出す役。15年から司会を務めている朝の情報番組などで穏やかなイメージが定着した真矢だが、以前は役柄と同様に「感情が出てしまう時があった」という。
年齢を重ねるにつれて「落ち着かなければいけない」と思い、笑顔の奥に感情を隠すようになったが、ヴェロニック役と出会い、“本音の真矢ミキ”が再び顔を出すようになった。「大人になって世の中を知ったつもりでも感情は子供の頃と違わないんじゃないか。子供のように多感になって進化・吸収していきたい」とナチュラルな姿勢で演技に向き合うようになったことを明かした。
出演者は4人のみ。全員が約2時間出ずっぱりというハードな舞台となる。共演者らとの顔合わせを終えた真矢は「上がったことのない階段。怖いけど今は苦しみも楽しみで仕方ないですね」と笑顔。少年のようなまなざしで未知の世界への期待に胸を膨らませている。
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